新年度も活躍に期待したいグロース11銘柄
新年度も活躍に期待したいグロース11銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実
2025/04/03
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
※YouTubeに遷移します。
新年度も活躍に期待したいグロース11銘柄
2025年3月末までの会計年度(2024年度)が終わりました。国内主要株価指標のパフォーマンスは以下の通りです。カッコ内は3月末の各指数のPBRを示しています。
・日経平均株価 -11.8%(1.34倍)
・TOPIX(東証株価指数) -4.0%(1.28倍)
・東証スタンダード市場指数 -1.1%(1.00倍)
・東証グロース市場指数 -10.8%(3.18倍)
ともに東京株式市場の代表的な株価指標である、日経平均株価とTOPIXの間に大きなパフォーマンス差が生じました。日経平均株価への寄与度が大きい半導体関連株が調整し、TOPIXへの寄与度が大きい銀行株等のバリュー銘柄が堅調に推移したことが影響したと考えられます。また、同じ「中小型株」でも、PBRが相対的に低くバリュー株的特徴の強い東証スタンダード市場指数が同グロース市場指数をアウトパフォームしました。
東証グロース市場に上場する銘柄にとっては、決して恵まれた投資環境ではなかったようです。今回の「新興株ウィークリー」では、昨年度ある程度活躍し、新年度も継続して好パフォーマンスに期待したい銘柄を抽出すべく、スクリーングを行ってみました。
①東証グロース市場に上場
②昨年度(24年3月末~25年3月末)株価上昇率が10%以上100%未満
③3/31まで20営業日の1営業日当たりの平均出来高が2万株以上
④過去3期増収・営業増益を継続
⑤今期会社予想業績で増収・営業増益の見込み
⑥直近四半期(3ヵ月)に増収・20%超の営業増益(ともに前年同期比)
⑦取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は②の株価上昇率が高い順となっています。
【参考】 3/25(火)~4/1(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 新年度も活躍に期待したいグロース11銘柄
コード | 銘柄名 | 株価 (3/31・円) |
株価騰落率 (24.3末比) |
今期会社予想 営業増益率 |
7075 | QLSホールディングス | 739 | 89.8% | 27.1% |
4258 | 網屋 | 3,855 | 89.0% | 14.1% |
4058 | トヨクモ | 2,419 | 54.9% | 20.5% |
9556 | INTLOOP | 4,450 | 50.3% | 30.7% |
2986 | LAホールディングス | 6,880 | 35.4% | 6.5% |
4013 | 勤次郎 | 586 | 32.9% | 30.7% |
4498 | サイバートラスト | 2,309 | 27.0% | 16.9% |
7792 | コラントッテ | 1,157 | 26.2% | 10.0% |
5038 | eWeLL | 2,030 | 22.8% | 31.6% |
3496 | アズーム | 6,940 | 13.0% | 36.8% |
4475 | HENNGE | 1,435 | 12.9% | 55.2% |
- ※Bloombergデータ、会社発表データをもとにSBI証券が作成
- ※株価騰落率(24.3末比)は、25年3月末終値を、24年3月末終値で割った数字
- ※網屋の23.12期、トヨクモの24.12期、INTLOOPの24.7期、各連結業績は、業績(単独)との比較
- ※3/31(月)時点のデータで銘柄を抽出。3月に決算期末を迎える企業の今期は、25.3期
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■網屋(4258)~ログ管理で国内トップシェア。サブスクモデル移行で収益安定化へ
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■サイバーセキュリティの総合プロバイダ
サイバーセキュリティ製品やサービスを自ら開発し製造・販売しています。セグメントは大きく2つに分けられています。
(1)データセキュリティ事業
(24.12期売上構成比40%・消去前営業利益構成比51%)
自社開発製品の「ALogシリーズ」を提供しています。ITシステムを構成している機器やソフトウェアは、操作・可動の履歴を「ログ」として出力しています。当製品はこれらの「ログ」を集め、内部不正防止やサイバー攻撃の自動検知に役立てています。国内のセキュリティログ管理業界では17年連続1位(22年度は71.6%)を確保しています。
この他、顧客のセキュリティ対策を包括して代行する「セキュサポ」の提供や、セキュリティ教育のサービスも行っています。
(2)ネットワークセキュリティ事業(同60%・49%)
企業内ネットワークで構成されるICT(情報通信技技術)インフラ環境をクラウドから運用代行するSaaSサービスを提供。また、顧客ニーズに合わせオーダーメイドのネットワークを提供しています。
■サブスク化を進めつつ業績拡大
2/13に発表された24.12期決算では売上高47.6億円(前期比33.9%増)、営業利益5.2億円(同44.8%増)と増収増益を確保。データセキュリティ事業では、販売からサブスクにビジネスモデルを転換しており、売上の好調を維持しています。
データセキュリティ事業では、従来の売り切りモデルでは解約率が14%ありましたが、サブスク導入後は累計1%台で安定しており、収益の安定化が進んでいます。
25.12期は売上高57.5億円(前期比20.6%増)、営業利益6億円(同14%増)が会社計画です。中期的には、サブスク化に加え、コンサルティングやサービス等への多様化、北米でニーズ急増の「SASE」製品の国産開発等を目指しています。
「SASE」(サシー)はクラウドからネットワーク機能・セキュリティ機能を提供する仕組みで、北米では年率20%超で成長しています。関連製品については2024年から販売を始めていますが、将来は主力製品に育てたい意向です。日本企業の導入率は1~2割程度と言われており、今後の拡大の余地があるとみられます。
株価は上昇後の一服場面ですが、ビジネスモデル変更の成功が確認されるようになれば、再度の上昇も可能と考えられます。
■コラントッテ(7792)~「肩、こらんとって」が社名の由来。大阪万博に出展予定
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■「肩、こらんとって(=こらないで)」が由来の医療機器メーカー
独自製法の磁気配列技術を有する医療機器メーカーです。血行改善・コリ緩和を目的としたネックレスタイプの製品が有名で、フィギュアスケートの宇野昌磨選手、卓球の伊藤美誠選手、箱根駅伝で2年連続8度目の総合優勝を達成した青学陸上部など、著名アスリート達が契約選手として同社製品を愛用しています。他製品には、サポーターやリカバリーウエアなどがあります。
会社名である『コラントッテ』は、大阪弁の「肩、こらんとって(=こらないで)」が由来。元々、代表者が病身で寝たきりの父親のためにサポーターを開発したことが創業のきっかけです。現在では、日本のみならず、EUや韓国等の世界各地で医療機器認証や特許を取得するに至ります。
販売チャネルは主に3つです。売上高構成比(24.9期)は、国内外の代理店や小売店への卸売り販売をメインとするホールセール部門が63%、店舗で直接販売を行うリテール部門が10%、イーコマース部門は27%です。
■業績堅調だが、、、
今期(25.9期)会社計画では、売上高の過去最高更新と、営業利益の8期連続最高更新を見込んでいます。
直近2期の業績を鑑みると、クリスマスや年末商戦がある1Q(10‐12月期)が四半期で最大の売上高・営業利益となる稼ぎ時に当たります。今期1Q(24.10-12月期)時点の業績は、売上高18.9億円(前年同期比8%増)、営業利益6.2億円(同32%増)と、順調な滑り出しです。
業績は堅調ですが、株価は冴えない推移が続いています。2022年中盤以降、800~1,200円でのレンジ相場です。決算発表で内容が好感された際、突き抜ける場面もありましたが、持続性はありませんでした。
2025年に入って以降、売買高移動平均(25日・週次)は2万株に満たない状態が続いています。契約選手がオリンピックなどの大きな大会で活躍する、または注目されることが、好材料となる傾向があります。
株価向上のためには、IR活動の積極化等も必要と考えられます。4/13~10/13まで開催予定の大阪万博に出展参加予定です。製品や会社のPR活動による認知度向上が期待されます。
重要事項 各種リスク等について
●本情報は、株式会社ネオトレード証券(以下、「当社」)が、株式会社SBI証券(以下、「SBI証券」)から、SBI証券が作成した情報の提供を受け、お客様に配信しております。
本情報に、取引判断・投資判断の参考となる情報が含まれている場合であっても、特定の投資戦略等を勧誘するものではありません。
取引・投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。
また、本情報は、信頼できると思われるもの、または信頼できる情報源から得たものですが、その正確性や完全性を保証するものではありません。
なお、本情報を無断で転用、複製、販売等することは固く禁じております。
本情報の内容に関するご質問・ご照会等にはお答えできませんので、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。
●国内株式等のお取引に関するリスク及び手数料等について
株式投資等は株価等の変動により、投資元本を割り込むおそれがあります。
また、信用取引は委託保証金の約3倍までのお取引ができるため、株価等の変動により委託保証金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。
証券オンライントレードの取引手数料は各商品・各コースにより異なりますが、1注文ごとの手数料体系では、最低50円から最大880円までとなります。
1日約定代金合計額で変わる手数料体系では、100万円以下で無料、100万円超~150万円以下で880円、150万円超~200万円以下で1,100円、200万円超~300万円以下で1,540円、以降100万円単位超過ごとに295円ずつ加算され、上限はございません。ただし、強制決済の場合には約定代金×1.32%の手数料(最低手数料2,200円)が適用されます(いずれも税込)。
また、信用取引においては、手数料は無料ですが、買方金利、貸株料、品貸料(逆日歩)、信用取引管理料(事務管理費)等の諸費用が必要です。
信用取引の委託保証金は売買代金の30%以上かつ30万円以上の額が必要です。
実際のお取引に際しては、契約締結前交付書面および当社ホームページ等をよくお読みになり、お取引の仕組み、ルール等を十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。