テンバガー達成銘柄から探る、上昇期待株6選

テンバガー達成銘柄から探る、上昇期待株6選

テンバガー達成銘柄から探る、上昇期待株6選

投資情報部 栗本奈緒実 鈴木英之

2025/10/09

テンバガー達成銘柄から探る、上昇期待株6選

自民党総裁選では高市氏が新総裁に決定しました。その後、積極財政への期待感などから10/6(月)の日経平均株価は2,175円の大幅高。10/7(火)には一時48,527円の史上最高値を付けました。両日は中小型の東証スタンダード市場および東証グロース市場上場銘柄も買われ、各市場の売買代金も増加しました。

ただ、月次で確認すると、2025年の東証グロース市場の売買代金は6月をピークに下落トレンドをたどっています。日本株高をけん引しているのはおもに大型株であり、中小型市場は盛り上がりに欠けている状況です。

今回の「新興株ウィークリー」は、市場全体に注目が集まりにくい中でも、着実に業績成長中の株価上昇期待銘柄を探すため、スクリーニングを実施しました。

また、銘柄を探すにあたり、テンバガー達成銘柄のデータも振り返ってみました。


株価が10倍以上になった(テンバガー)銘柄のうち、3年前比・5年前比の株価騰落率がともにプラスを維持している東証スタンダード市場または東証グロース市場の銘柄は、参考図表①に示すとおりです。

テンバガー達成銘柄の業績推移では、売上高の伸びが安定していることに加え、利益率の改善が目立った格好です。さらに、売上の%変化に対する営業利益の%変化の比(=オペレーティングレバレッジ)が高い点も特徴です。このオペレーティングレバレッジが高い企業は、売上高が少し動いただけで、営業利益が大きく伸びやすい体質と言えます。


紹介銘柄のスクリーニング条件は以下の通りです。

・東証グロース市場または、東証スタンダード市場に上場

・時価総額が100億円以上

・直近の売買高移動平均(25日平均)が2万株以上かつ、5年前の売買高移動平均(同)を上回っている

・売上高CAGR(年平均成長率・5年)が5%以上かつ、今期会社予想増収率>売上高CAGR(5年)

・直近5期でフリーキャッシュフローがマイナスとなった回数が2回以下

・売上高営業利益率の変化が直近5期で+3.0%pt以上改善

・5年オペレーティングレバレッジが基準値(業種ごとに3分類)よりも>0.05

・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

掲載は、売上高CAGR(年平均成長率・5年)が高い順です。

【参考①】 10年でテンバガーを達成した東証スタンダード市場または東証グロース市場上場銘柄

【参考②】 9/30(火)~10/7(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

【銘柄一覧】 テンバガー達成銘柄から探る、上昇期待株6選

コード 銘柄名 株価
【10/3・円】
売上高CAGR
(5年)
売上高営業利益率
の変化(5年)
3299 ムゲンエステート 2,045 15.6% +8.4%pt
6262 PEGASUS 689 15.4% +3.0%pt
6083 ERIホールディングス 3,655 8.2% +7.6%pt
1401 エムビーエス 1,333 8.2% +6.2%pt
6834 精工技研 9,550 7.8% +5.2%pt
5280 ヨシコン 2,332 6.8% +9.2%pt
  • ※会社発表データ、Quick Workstation Astra ManagerデータをもとにSBI証券が作成
  • ※助川電気工業(7711)は、10/7(火)時点でスクリーニング条件に適合していましたが、10/8(水)に値幅制限拡大で取引注意銘柄になったので除外されました

一部掲載銘柄を詳細に解説!

ERIホールディングス (6083)~建設物の評価・格付け・検査を担う中立機関。

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■建設物の評価・格付け・検査を担う中立機関


建築物の評価・格付け・検査を担う中立機関です。

従業員の約54%が一級建築士(25年5月末時点)。業界で唯一、全国に拠点を有する民間企業です。長年の実績と、参入障壁の高さが強みとして挙げられます。

■ソリューション事業がけん引役


事業の概要(25.5期:売上高構成比)は、以下の通りです。


▸ 確認検査事業・関連:44%

建築基準法に基づく建築確認、中間検査、完了検査 など。

▸ 住宅性能評価・関連:18%

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく設計住宅性能評価、建設住宅性能評価 など。


▸ ソリューション:23%

住宅分野:既存建築物の耐震診断・被災調査 など/インフラ・環境分野:アスベスト等有害物質の調査など。
→法改正や強化を背景に、需要が増加。足元の業績拡大を牽引しています。


▸ その他:15%
専門資格検定の育成講座 など。

■新中計(26.528.5期)期間に突入

規制強化が進む省エネ関連やインフラ関連での成長加速を目指しています。

インフラ維持管理分野では、多発する自然災害等に対応するため、「国土強靭化基本計画」に基き、公共事業予算が確保されています。それに対応するため、同分野の事業領域拡大を目的とし、24年と25年に2社を子会社化しました。


▸ご参考 
【建設後50年以上経過する社会資本の割合、2040年3月の将来予想数値】
道路橋(橋長2m以上):約75%、トンネル:約52%、水道管路:約41%、下水道管渠:約34% (国土交通省インフラメンテナンス情報より、2025/10/7確認)



今期(26.5期)から新中計の期間に突入しました。通期会社計画に対する直近1Q(25.6~8期)時点の各利益項目の進捗率は、過去5期平均を10%pt以上も上回っています。

28.5期は売上高280億円(25.5期比42%増)、営業利益40億円(同1.9倍)、売上高営業利益率14.3%(25.3期は10.4%)が計数目標です。


さらに長期目標として、2030年に売上高300億円(25.5期:197億円)、時価総額300億円(10/7時点:286億円)が掲げられています。参入障壁の高さや、業界全体への追い風などから継続的な業績拡大と、株価上昇が期待されます。

ヨシコン (5280)~静岡メインの不動産。過去最高益・15期連続増配見通しも割安感は強め

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■静岡を地盤とする不動産メインのグループ会社

地域に根差した「総合街づくり企業」を称する企業です。静岡市に本社を置き、不動産開発や賃貸等を行っています。

1949年に、創業者である吉田茂(元首相とは同姓同名)が前身の吉田コンクリート工業所を創業。1969年、東名高速道路開通等に伴うコンクリート製品需要の伸びを見込み、吉田コンクリート工業株式会社を設立。1986年に遠州レミコン工業と合併し、現在の社名となりました。

1990年から工事・不動産業務を開始。1996年に、初の分譲マンション「エンブル・シティ焼津」を竣工。祖業であるコンクリート製品に関しては、公共土木事業の減少に伴い製品製造から撤退。21.3期からファブレス化しています。

現在は、不動産開発(売上高構成比56%)や分譲マンションなどを扱うレジデンス事業(同29%)、賃貸・管理等(13%)がメインです(25.3期)。

■今期も過去最高業績更新見込み&15期連続増配実施予定

前期(25.3期)は過去最高の売上高・経常利益を更新。大型不動産案件や新築分譲マンションの引き渡しが寄与しました。レジデンス事業は売上高80億円(前期比186%増)と大幅に伸びました。

今期(26.3期)計画も売上高300億円(前期比9%増)、営業利益・経常利益50億円(ともに同6%増)と過去最高を更新し、会社計画の1株配当は80円で15期連続で増配が実施される見通しです。

今期1Q(25.4-6月期)業績は、売上高27億円(前年同期比24%増)、営業利益0.2億円(前年同期は2.9億円赤字)でした。前年同期は売上高が今四半期比で大きかったものの、工期が長期にわたり高コストとなった大規模用地の引き渡しがあったもので、それがなくなった今四半期は減収・黒字転換となりました。26.3期会社計画に変更はありません。

10/31(金)に、25.2Q(25.4-9月期)決算が発表される予定です。21.3期以降の業績の傾向として、4Q(1-3月期)に収益が偏重する傾向がある点にご留意ください。売上高成長率が高めであるにもかかわらず、10/7時点の予想PER5.2倍、PBR0.62倍、予想配当利回り3.3%(会社発表の予想EPS、BPS、予想1株配当金から計算)と、割安感が強めの銘柄です。

重要事項 各種リスク等について

●本情報は、株式会社ネオトレード証券(以下、「当社」)が、株式会社SBI証券(以下、「SBI証券」)から、SBI証券が作成した情報の提供を受け、お客様に配信しております。
本情報に、取引判断・投資判断の参考となる情報が含まれている場合であっても、特定の投資戦略等を勧誘するものではありません。
取引・投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。
また、本情報は、信頼できると思われるもの、または信頼できる情報源から得たものですが、その正確性や完全性を保証するものではありません。
なお、本情報を無断で転用、複製、販売等することは固く禁じております。
本情報の内容に関するご質問・ご照会等にはお答えできませんので、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。

●国内株式等のお取引に関するリスク及び手数料等について
株式投資等は株価等の変動により、投資元本を割り込むおそれがあります。
また、信用取引は委託保証金の約3倍までのお取引ができるため、株価等の変動により委託保証金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。
証券オンライントレードの取引手数料は各商品・各コースにより異なりますが、1注文ごとの手数料体系では、最低50円から最大880円までとなります。
1日約定代金合計額で変わる手数料体系では、100万円以下で無料、100万円超~150万円以下で880円、150万円超~200万円以下で1,100円、200万円超~300万円以下で1,540円、以降100万円単位超過ごとに295円ずつ加算され、上限はございません。ただし、強制決済の場合には約定代金×1.32%の手数料(最低手数料2,200円)が適用されます(いずれも税込)。
また、信用取引においては、手数料は無料ですが、買方金利、貸株料、品貸料(逆日歩)、信用取引管理料(事務管理費)等の諸費用が必要です。
信用取引の委託保証金は売買代金の30%以上かつ30万円以上の額が必要です。
実際のお取引に際しては、契約締結前交付書面および当社ホームページ等をよくお読みになり、お取引の仕組み、ルール等を十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

ページトップへ