ワークマン、セリアetc 成長を続ける 増益予想の6銘柄
ワークマン、セリアetc 成長を続ける 増益予想の6銘柄

投資情報部 鈴木 英之 髙田 航輝
2026/06/18
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
※YouTubeに遷移します。
ワークマン、セリアetc 成長を続ける 増益予想の6銘柄
日経平均株価は6/16(火)に一時70,020.68円まで上昇し、取引時間中ベースでの過去最高値を更新しました。初の7万円台到達ということで、マーケットの盛り上がりが感じられます。6/12(金)にはキオクシアホールディングス(285A)の時価総額がトヨタ自動車を上回り、国内首位となりました。6/15(月)にはアメリカとイランが戦闘終結に向けた覚書に署名し、中東情勢の緊張緩和がリスクオンへの流れを作りだしたと思われます。NYダウ(ダウ工業株30種平均)も高値を更新しています。
国内では6/16(火)に日銀が政策金利を0.25%引き上げ、1.00%とすることが発表されました。もっとも、今回の金融政策決定会合での利上げに関しては、すでに織り込み済みと思われ、市場への影響は軽微でした。為替についても1ドル160円近辺で推移しており、目立った変化はありませんでした。
今後については6/16(火)より開催されている米FOMC(米連邦公開市場委員会)に市場の関心が集まります。ウォーシュ新FRB(米連邦準備制度理事会)議長の就任後初のFOMCであり、記者会見の内容にも注目したいです。また、イラン問題が解決した後のトランプ米大統領の外交政策、次の「ディール」にも注意する必要がありそうです。
さて、今回の「新興株ウィークリー」では業績の市場予想に着目しました。昨今は好調な企業業績に裏打ちされたAI・半導体関連銘柄を中心に相場をけん引していると思われます。一方で相場の「主役」にはなれていないものの、好業績が予想されている隠れた銘柄を探してみようと思います。
スクリーニング条件は以下のとおりです。
(1)東証グロース市場または東証スタンダード市場に上場している
(2)市場予想当期純利益(Bloombergコンセンサス)が黒字かつ前期比増益
(3)今期当期純利益について3名以上のアナリストが予想を公表している
(4)前期実績参照のROE(自己資本利益率)が10%以上
(5)売上高が前期までで5年連続増収
(6)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。
掲載の順番はROEが高い順にしています。
なお、グロース市場やスタンダード市場の銘柄は、プライム市場の銘柄と比較して業績予想を公表しているアナリストが少なく、幅広く銘柄を探すために、今回は時価総額に条件を設けていません。
【銘柄一覧】ワークマン、セリアetc 成長を続ける 増益予想の6銘柄
| コード | 銘柄名 | 株価 【6/16・円】 |
前期実績ROE(%) | 市場予想 当期純利益 (百万円) |
| 7806 | MTG(9) | 7,260 | 16.6 | 10,820 |
| 5253 | カバー | 1,415 | 16.3 | 6,924 |
| 7906 | ヨネックス | 2,324 | 16.2 | 13,416 |
| 2782 | セリア | 3,580 | 14.6 | 14,983 |
| 7564 | ワークマン | 7,190 | 14.3 | 23,748 |
| 2702 | 日本マクドナルドホールディングス(12) | 7,380 | 12.7 | 37,116 |
- ※Quickデータ、Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
- ※銘柄名カッコ内の数字は決算期を表しています。カッコがないものは3月期決算です。
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■セリア(2782)~100円ショップの残存者利益獲得を目指す
◎明るい店舗におしゃれな商品
同社は雑貨、日用品、インテリア用品、食品など幅広いジャンルの商品を取り扱う「100円ショップ」を全国展開している企業です。岐阜県の大垣市に本社があり、創業は1985年です。
筆者は100円ショップというと昔は無機質で壊れやすい、使い捨ての商品を販売しているという印象が強かったです。しかし、昨今の100円ショップで販売している商品は品質が良く、おしゃれなものが多いというイメージがあります。特にセリアはお店も明るく、商品もおしゃれなものが多いと感じます。
また、キャラクターグッズも取り扱っており、「ポムポムプリン」や「ブルーロック」、「ミッキー&フレンズ」などのシールやポーチを販売しています。こちらは「推し活」に勤しむユーザーからの支持を集めているのではないでしょうか。
2026年3月期末時点では全国に2,134店舗あり、今後も未出店地域の開拓と不採算店舗の整理を推進していく予定です。
◎売上高は過去最高を更新、利益率も改善
2026年3月期通期の売上高は2,556億9,500万円(前期比8.2%増)、営業利益は209億6,800万円(同24.5%増)の増収増益でした。売上高については過去最高を更新しています。
年間の1株当たり配当金は75円で前期比5円の増配でした。売上高営業利益率は8.2%で前期の7.1%と比較して改善しています。商品仕様の見直しによる原価上昇抑制や「業務デトックス」の取り組みによって、売上原価率、売上高販管費率が低下し、利益を押し上げています。
2027年3月期通期業績の会社予想は売上高2,736億円(前期比7.0%増)、営業利益211億円(同0.6%増)としています。原油価格高騰に由来するコスト増が影響し、売上高営業利益率は7.7%で、前期より悪化する予想となっています。
今期の年間1株当たり配当金の予想は80円で前期比5円の増配です。
6/16(火)の株価終値は3,580円です。日経平均株価が最高値を更新している中で、2月の年初来高値4,435円を抜けず、さえない展開が続いています。
◎残存者利益獲得とバリュエーション
同社は同業他社が値上げ、マルチプライスに移行する中、「100円ショップ」の形態を維持しています。販売価格を税抜100円で維持することはコスト増によって、利益を圧迫する一方で、「100円ショップ」形態の残存者利益を獲得するチャンスととらえることもできます。前期決算説明会でも、残存者利益の兆候が見られると言及されています。
次にバリュエーションを比較します。6/16終値を参照した、セリアの今期予想PERは15.15倍です。上場している同業他社のキャンドゥ(2698)、ワッツ(2735)と比較します。
キャンドゥの今期予想PERは117.25倍、ワッツは同8.34倍で、ばらつきが大きく単純に比較はできませんでした。東証スタンダード市場の今期予想PERは14.27倍です(※1)。
市場全体との比較では目立った割高感はないように思われます。また、日々の出来高は3社の中では多めになっています。
さらに同社の注目点として長短借入金がないことが挙げられます(※2)。6月16日に日銀の利上げが発表されました。利上げ局面において借入金がないことは、借り換えコストの増加や変動金利の利払い負担増などのマイナスの影響を受けにくいというメリットがあります。金利上昇時には借入金がないことも投資テーマの一つとなる可能性があり、同社株価にとってプラスの材料になるかもしれません。
最後にリスクについて整理します。
原材料価格・人件費高騰による利益率の悪化、「100円ショップ」の飽和が進むことによる成長率の鈍化が挙げられます。
また、AIや半導体関連銘柄が株価上昇をけん引する相場の中では、関連銘柄ではない同社の株価はさえない展開が続く可能性があります。
5/8の決算発表も通過したため、短期的に株価が高騰する材料は見当たりにくいのが現実ですが残存者利益や借入金がないことなど、株価が好転する材料は抱えていると考えています。
既存店売上高の前年同月比増加率は、4月が11.1%、5月が14.4%と好調です。今後も月次の売上高の伸びを確認しながら、株価上昇の機会を待つようなスタンスになると思われます。
※1:加重平均、6月15日時点。QUICKデータより。
※2:2026年3月期末時点。
■ワークマン(7564)~増収が続き過去最高益。リカバリーウェアが成長をけん引中
◎FC展開をメインに、作業服・作業関連用品を販売
フランチャイズ・システムを中心とし、作業服・作業関連用品を主力に、アウトドア・スポーツウェア等を販売する大型専門チェーンです。物販チェーン7社を中心とする流通企業グループ「ベイシアグループ」(2025年2月期の売上高は1兆1,864億円)の中核企業になっています。※
※「ベイシアグループ」は2月決算ですが、グループでワークマンのみ3月決算です。
全国に1,094店舗を展開し、うち1,006店舗がフランチャイズ(FC)店です(2026年3月末時点)。店舗粗利の40%を加盟店の収入、60%を本部の収入とし、本部が店舗地代家賃、設備投資、配送コスト、折り込みチラシ等の経費を負担する仕組みになっています。商品の仕入は海外からが約64%になっています。(2026年3月期)
「WORKMAN」「WORKMAN Plus」「WORKMAN Pro」「WORKMAN Colors」「#ワークマン女子」の5業態があり、ターゲットを分けて客層拡大を図っています。取扱商品はおおむね同じで「見せ方」を変えて様々な顧客にアピールしています。
客層拡大・競合他社との差別化を目的に、PB(プライベートブランド)商品開発を積極的に行っています。チェーン全店売上高に占めるPB比率は2018年3月期の32%から2026年3月期には71%まで拡大しました。
◎2027年3月期も好調なスタート
2026年3月期は、チェーン全店売上高が2,092億円(前期比+14.3%)、営業総収入が1,608億円(同+17.5%)、営業利益が296億円(同+21.7%)、純利益が206億円(同+22.1%)でした。会社側は「2期連続増収増益、過去最高益」と説明しています。単なる出店増だけではなく、既存店売上も前期比+9.0%と好調でした。
2027年3月期に入ってからの月次売上高も強く、2026年4〜5月累計では全店売上高が前年同期比+32.9%、既存店売上高が同+26.7%です。5月は夏物や暑熱対策商品に加え、ルーム・インナー系のリカバリーウェアが好調だったと会社が説明しています。2027年3月期通期では営業総収入1,833億円(前期比14%増)、営業利益321億円(同8.2%増)と増収(17期連続)増益を目指します。
ここにきて業績好調に転じているひとつの理由は、気候対応商品の強さです。猛暑・残暑・暖冬に合わせた作業服、ファン付きウェア、Tシャツ、インナー、服飾雑貨などが伸びています。同社はもともと作業服由来の機能性商品に強く、「高機能・低価格」の訴求が気候変動ニーズに合っています。
また疲労回復効果が期待される「リカバリーウェア」の急拡大も業績拡大をけん引しています。リカバリーウェアを含む「メディカル」カテゴリーが前年比+808.2%と非常に大きく伸び、一般客への浸透が進んだとされています。
さらにPB商品の比率上昇も貢献しています。2026年3月期のPB売上高は1,501億円、PB比率は71%まで上がっています。PBは価格設計、原価管理、機能開発を自社主導で行いやすいため、売れ筋を作れたときに利益率に効きやすい構造です。また、海外直接調達・大量生産の効果も大きそうです。2026年3月期は海外直接調達額が増え、海外直接貿易比率は64.4%でした。
◎株価は下値支持ライン付近に到達
株価は6/3(水)の年初来高値8,330円から6/16(火)終値は7,190円と下げています。株式市場の物色の中心がAI・半導体関連銘柄に集中したあおりを受けた形です。ただ、上記したように4~5月の全店・既存店売上高は好調で、好業績持続が期待できます。小売店としては営業総収入に占める営業利益率が18.4%(2026年3月期)あり、ROEも14%と高めであることが特筆されます。株価は下値支持ラインのひとつである13週移動平均線付近まで下落しており、調整が進んでいる状況です。
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