サイバーセキュリティ関連銘柄が注目? AI開発減速論でどうなる?
サイバーセキュリティ関連銘柄が注目? AI開発減速論でどうなる?

投資情報部 髙田航輝
2026/09/17
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
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サイバーセキュリティ関連銘柄が注目? AI開発減速論でどうなる?
今回のテーマは「サイバーセキュリティ」です。
米現地時間9月12日、AIモデルの「クロード」を手がける米・アンソロピック社のアモデイCEOが、最先端のAI開発を減速するべきと呼びかけたことをきっかけに、「AI開発減速」が市場の話題となりました。AI開発のスピードを落とす理由の一つとして、使用者が意図しないAIによるサイバー攻撃が挙げられています。
現地14日の米株式市場では、サイバーセキュリティ関連銘柄が物色の対象となり、クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)、パロアルト・ネットワークス(PANW)が大幅高となりました。14日の米株式市場の流れを受けて、15日の国内市場では、関連銘柄のトレンドマイクロ(4704)などが買われました。
そこで今回はAIによるサイバー攻撃を背景に注目されている、サイバーセキュリティ関連銘柄を探っていきます。
今年の市場のテーマは、AI・半導体だったと思います。どちらかといえば半導体やメモリー、ハイパースケーラーによる設備投資など、「ハード」の部分に焦点があったといえます。今回は実際にAIが使われるとどのような企業に注目が集まるのかに焦点が当てられています。同じAIがテーマであっても、物色の対象が変化する兆候かもしれません。
【銘柄一覧】サイバーセキュリティ関連銘柄が注目? AI開発減速論でどうなる?
| コード | 銘柄名 | 株価 【9/15・円】 |
投資のポイント |
| 3040 | ソリトンシステムズ | 2,346 | 情報漏洩対策、認証・アクセス制御、テレワーク用のセキュリティ対策、サイバーセキュリティ対策のための製品・サービスを開発・販売。 |
| 3968 | セグエグループ | 647 | ITインフラやネットワークセキュリティ製品の設計・販売・構築・運用・メンテナンスを手掛ける。 |
| 4258 | 網屋 | 5,260 | サイバー攻撃対策、自社開発のセキュリティ製品を販売。ほかにもネットワークインフラをクラウドで提供する事業も手掛ける。 |
| 4417 | グローバルセキュリティエキスパート | 5,300 | 中堅企業や官公庁向けにサイバーセキュリティサービスを提供。 |
| 4493 | サイバーセキュリティクラウド | 1,924 | Webアプリケーションに対するサイバー攻撃を検知・遮断・可視化するクラウド型セキュリティサービス「攻撃遮断くん」を提供。 |
- ※会社公表資料、QUICKデータをもとにSBI証券が作成。
- ※銘柄コード順に掲載。
★スクリーニング条件
1.時価総額100億円以上1,000億円未満
2.各種資料、報道などから「サイバーセキュリティ」と関連しているとみられること。
3.直近四半期累計営業増益率が前年同期比30%以上
4.取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
一部掲載銘柄を詳細に解説!
セグエグループ(3968)
★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

◎ランサムウェアなどの被害からユーザーを守る
東証プライム市場に上場しており、時価総額は240億円です(※1)。
純粋持株会社で、連結子会社がITインフラやネットワークセキュリティ製品の設計・販売・構築・運用・メンテナンスを手掛けています。
事業は大きく分けて、「ソリューションプロダクト事業」と「ソリューションサービス事業」の2つです。今回のテーマであるサイバーセキュリティとの関連を見ると、ソリューションプロダクト事業では、セキュリティ製品の輸入・販売などを行っています。ほかにもソフトウェア製品の自社開発を手掛けています。「ソリューションサービス事業」におけるサイバーセキュリティ関連としては、セキュリティサービスの提供が挙げられます。セキュリティリスクのアセスメント、監視・分析対策、セキュリティ診断、従業員教育などを行っています。
同社が提供する「RevoWorks Sanitize Browser」はWebサイトからダウンロードされたファイルを自動的に無害化するソフトウェアです。2026年上半期のランサムウェアの被害件数は123件であり、半期の件数としては過去最多です(※2)。こうしたインターネット上の脅威からユーザーを守るサービス・製品を手掛けています。
※1:2026年9月15日時点。
※2:警察庁が2026年9月に公表した「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」を参照。
◎第2四半期累計の業績は過去最高を更新
8月13日に発表された2026年12月期第2四半期(累計)の業績は、売上高が159億700万円(前年同期比59.1%増)、営業利益が21億9,600万円(同220.6%増)となり、売上高、各段階利益ともに過去最高を更新しています。年間の1株当たり配当金の会社予想は18円で、前期比5円の増配計画です。予想配当利回りは2.78%です(※3)。
また、決算発表と同時に通期業績予想の上方修正も発表しています。営業利益は当初計画よりも13%上方修正され、26億円(前期比40.2%増)の見込みとなりました。ストック型収益の伸びと自社開発製品「RevoWorks」の販売が想定を上回ったことが予想修正の要因と説明されています。
※3:2026年9月15日の終値をもとに算出。
◎株価と今後の展開
2025年12月から2026年初にかけて株価は大幅に下落しています。2025年12月1日に高値809円をつけていましたが、2026年3月4日に安値483円をつけるまで下落基調が続いていました。1月に発表した公募増資による1株当たり利益の希薄化が嫌気されたことなどが原因と考えられます。一方で、3月中旬以降は上昇基調に転じ、9月15日の終値は647円です。
注目ポイントは、受注高の推移です。今期の第2四半期の受注高は前年同期比で51.9%減となっています。これは前年同期に大型受注があった反動であり、受注高自体は高い水準を維持しています。特にGSS(ガバメントソリューションサービス/政府・中央省庁が共通で使うITネットワーク基盤)案件が軸となっており、サイバーセキュリティは政府が掲げる戦略17分野の一つとなっていることから、今後も同社業績への寄与が期待されます。
グローバルセキュリティエキスパート(4417)
★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

◎中堅企業・官公庁向けにサイバーセキュリティサービスを展開
東証グロース市場に上場しており、時価総額は811億円です(※1)。
中堅企業や官公庁向けにサイバーセキュリティサービスを提供しています。サイバーセキュリティのコンサルティングや脆弱性診断サービス、セキュリティ製品を提供する「サイバーセキュリティ事業」、エンジニア向けにセキュリティトレーニングや認定資格試験を提供する「セキュリティ教育事業」、顧客企業のIT人材をセキュリティ人材にリスキリングする「セキュリティ人材事業」を手掛けており、会社が丸ごと今回のテーマのサイバーセキュリティに当てはまるような銘柄です。セキュリティ人材の育成から提供までをワンストップで行う点は同業他社と差別化できるポイントであると思われます(※2)。
※1:2026年9月15日時点。
※2:「セキュリティ人材特化型SES(システムエンジニアリングサービス)事業を分社化」のプレスリリース(2024年2月13日付)参照。
◎好調な業績と存在感増す「セキュリティ人材事業」
7月31日に発表された、2027年3月期第1四半期の業績は、売上高が27億7,200万円(前年同期比23.9%増)、営業利益は4億9,900万円(同41.7%増)で増収増益でした。親会社株主に帰属する四半期純利益は第1四半期業績として過去最高を更新しています。年間の1株当たり配当金の会社予想は49円11銭で前期比14円51銭の増配計画です。予想配当利回りは0.92%です(※3)。
第1四半期の事業別売上高を確認すると、サイバーセキュリティ事業が前年同期比14.3%増、セキュリティ教育事業が同29.6%増、セキュリティ人材事業が同55.6%増であり、セキュリティ人材事業の存在感が高まっています。
※3:2026年9月15日の終値をもとに算出。
◎今後の展開と株価
好調な業績に背中を押されるように、2026年の株価は上昇基調で推移しています。また、15日の終値は5,300円(前日比+7.6%)の大幅高でした。現地14日の米国株式市場における、サイバーセキュリティ関連銘柄の上昇を引き継いだと考えられます。
今後の展開ですが、同社が強みを持つサイバーセキュリティ人材の育成に注目したいです。同社資料によると、2024年時点で、日本のサイバーセキュリティ人材が11万人不足しており、人材不足数は年々増加傾向にあります。前述のようにランサムウェアの被害が過去最多となる中で、サイバーセキュリティ人材の需要は今後も高まっていくと考えられ、同社事業にとっては追い風となる環境が続くのではないかと予想されます。15日に大幅高した影響もあり、短期的な株価調整(下落)は予想されるものの、高値追いを期待したい銘柄であると思います。
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