なぜレアアースが注目されるのか? 関連銘柄も紹介します
なぜレアアースが注目されるのか? 関連銘柄も紹介します

投資情報部 髙田航輝
2026/10/29
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
※YouTubeに遷移します。
なぜレアアースが注目されるのか? 関連銘柄も紹介します
今回のテーマは「レアアース」です。
10月26日にレアアース関連銘柄の一角が買われる動きがありました。時事通信が24日に日独首脳会談に関して、ドイツの外交筋の話として「中国が輸出を規制しているレアアースなど重要鉱物が主要テーマになる」と報じており、思惑買いが入ったのではないかと思われます。
思惑買いとみられるため、株価が継続して上昇する可能性は高くないかもしれませんが、レアアースは息の長い投資テーマとして注目に値するのではないでしょうか。
新興株ウィークリーでもレアアースのテーマは何度か取り上げていますが、改めてレアアースがなぜ注目されていて、どの銘柄が関連しているかなどをご紹介していきます。
【レアアースって何?】
レアアース(希土類)とはセリウム(Ce)やイットリウム(Y)などの17元素の総称です。
半導体製造用の研磨剤や永久磁石などに利用され、ハイテク産業には欠かせないため、「産業のビタミン」と呼ばれたりしています。
似たような言葉にレアメタル(希少金属)がありますが、レアアースとは意味が異なります。レアメタルは「地球上の存在量が少ない」または「技術的・経済的に抽出が難しい」金属のうち、産業・政策上重要なものを指します。つまり、科学的なカテゴリーではなく、国や機関によって、どの金属を指しているのかも異なります。
レアアースは経済的に採掘可能な濃度で集積した鉱床が限られ、分離・精製にも技術的な難しさがあります。
さらに、2025年の世界の鉱山生産量のうち、約69%を中国が占めています(※1)。特定の国のシェアが高いため、外交・貿易問題に発展するとレアアースの禁輸措置などによって、主導権を握られてしまうというデメリットがあります。
※1:USGSの「MINERAL COMMODITY SUMMARIES2026」を参照。
【なぜ今、レアアースが注目なの?】
2026年はアメリカを中心にAIが急速な進化を遂げており、半導体やメモリーの需要がひっ迫しています。レアアースは半導体製造などのハイテク産業には必要不可欠な存在であり、注目度が高まっています。
また、中国が日本やアメリカに対する外交・貿易の交渉材料として、レアアース輸出規制を利用する可能性があることも、大きな懸念になっています。
日本は国内のレアアース産出に向けて、2026年1月から2月にかけて南鳥島沖のレアアース泥採取実験を行いました。このプロジェクトでは多くの上場企業が関与しており、関連銘柄に買いが集まりました。
南鳥島沖レアアース泥採取については実験段階で、レアアース産出が企業業績に大きく寄与するのは先の話になると思いますが、改めて関連銘柄を確認していきたいと思います。
レアアースとは?
【銘柄一覧】なぜレアアースが注目されるのか? 関連銘柄も紹介します
| コード | 銘柄名 | 株価 【10/27・円】 |
今期予想PER 【倍】 |
予想配当利回り (今期予想1株当たり配当金) |
| 1885 | 東亜建設工業 | 2,086 | 11.1 | 3.69% (77円) |
| 4125 | 三和油化工業 | 3,455 | 13.5 | 1.44% (50円) |
| 5715 | 古河機械金属 | 3,630 | 8.1 | 2.20% (80円) |
| 5724 | アサカ理研 | 2,655 | 17.0 | 0.45% (12円) |
| 6269 | 三井海洋開発 | 8,115 | 9.5 | 2.46% (200円) |
| 6330 | 東洋エンジニアリング | 2,280 | 22.2 | 1.09% (25円) |
| 9768 | いであ | 3,665 | 10.9 | 3.21% (118円) |
- ※QUICKデータ、各報道・会社公表資料をもとに、SBI証券が作成。
- ※今期予想PER、今期予想1株当たり配当金はいずれも会社予想の業績をもとに掲載。
- ※アサカ理研については直前期の2026年9月期の会社予想をもとに掲載。
- ※予想配当利回りは2026年10月27日時点。
★スクリーニング条件
1.東証プライム市場・スタンダード市場・グロース市場のいずれかに上場
2.会社予想の今期純利益が黒字
3.各種資料・報道などから、「レアアース」と関連性があるとみられること
4.取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
- ※図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしており、銘柄コード順に掲載。
掲載銘柄をカンタン解説!
■東亜建設工業(1885)
東証プライム市場に上場しており、時価総額は1,835億円です(10月27日時点)。
同社は主に国内および海外の土木・建築事業を手掛ける、海洋土木の大手企業です。
南鳥島沖のレアアース泥採取のために重要な「解泥」技術の開発に取り組んでおり、「革新的深海資源調査技術」に参画しています。また、2026年7月には技術研究開発センターに「海洋資源開発室」を新設し、レアアース泥などの海洋資源開発分野への取り組み強化を推進しています。
2027年3月期の会社の業績予想は、売上高が3,600億円(前期比0.4%増)、営業利益が211億円(同12.8%減)で、増収営業減益の予想です。
■三和油化工業(4125)
東証スタンダード市場に上場しており、時価総額は149億円です(10月27日時点)。
同社は主に、産業廃棄物を再資源化し、塗料、洗浄剤などの素材として再使用できるようにリユース・リサイクルを行い、再生製品を販売する事業を手掛けています。
リサイクル技術を生かして、電子部品などからレアアース・レアメタルを高効率かつ低コストで分離・回収する技術を開発しています。
2027年3月期の会社の業績予想は、売上高が235億円(前期比16.0%増)、営業利益が17億円(同10.1%増)で、増収営業増益の予想です。
■古河機械金属(5715)
東証プライム市場に上場しており、時価総額は1,181億円です(10月27日時点)。
ポンプ設備、油圧ブレーカ、マテリアル機械を扱う機械事業と銅などの非鉄金属販売などを行う素材事業を中心に展開しています。
東京大学の「レアアース泥開発推進コンソーシアム」に参画しており、海洋資源開発に関する特許を複数出願しています。
2027年3月期の会社の業績予想は、売上高が2,590億円(前期比22.7%増)、営業利益が100億円(同11.5%減)で、増収営業減益の予想です。
■アサカ理研(5724)
東証スタンダード市場に上場しており、時価総額は136億円です(10月27日時点)。
主に貴金属や有用金属を含む材料・廃液などから資源を回収し、再生・精製・販売する事業を手掛けています。
レアアース関連では、ランタンおよびガドリニウム精製の事業化に向けた実証実験により、光学レンズ廃材からのレアアース回収および高純度化に成功(2021年時点)しています。
2026年9月期の会社の業績予想は、売上高が107億5,000万円(前期比23.8%増)、営業利益が12億4,000万円(同151.5%増)で、増収営業増益の予想です。
■三井海洋開発(6269)
東証プライム市場に上場しており、時価総額は5,546億円です(10月27日時点)。
主に海洋石油ガス開発業界に向けて、浮体式生産貯蔵積出設備を提供しています。
三井海洋開発は、東京大学が主導するレアアース泥開発推進コンソーシアムに参画しており、大水深の揚泥技術の検討に関わっています。
2026年12月期の会社の業績予想は、売上収益が46億米ドル(前期比0.4%増)、営業利益が4億6,000万米ドル(同5.1%増)で、増収営業増益の予想です。
■東洋エンジニアリング(6330)
東証プライム市場に上場しており、時価総額は1,341億円です(10月27日時点)。
同社はプラントエンジニアリング分野を中心に事業を展開しており、プラント建設を主な事業としています。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の委託で、深海底からレアアース泥を回収するシステムの技術開発を担っています。同社が培ってきた資源開発技術が活用されています。
2027年3月期の会社の業績予想は、売上高が1,900億円(前期比3.9%増)、営業利益が30億円(前期比黒字転換)です。
■いであ(9768)
東証スタンダード市場に上場しており、時価総額は274億円です(10月27日時点)。
同社は環境に関する様々な調査や分析、影響予測、評価を行う環境コンサルタント事業などを手掛けています。
直接レアアースを採掘、精製している会社ではありませんが、海洋開発を行う際の海洋環境調査等で同社の技術が利用できると考えられるため、掲載銘柄に加えています。
2026年12月期の会社の業績予想は、売上高が257億円(前期比4.4%増)、営業利益が34億円(同6.7%増)で、増収営業増益の予想です。
※比較的、流動性が低い銘柄なのでお取引の際は板情報などを十分ご確認ください。
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