NEOTRADER for PC 発注板ALLの有効的な活用法
最終更新日:2023年11月29日
発注板ALLの魅力とは?通常の発注板の違いとは
通常の発注板は、現在値を中心に上下10本の気配が表示され、表示されていない気配数量はOVER(売り気配)とUNDER(買い気配)に合計数量のみが表示されます。
発注板ALLでは、値幅上限から値幅下限までの全ての気配情報が取得されており、
板上でマウスのホイール操作や、スライドバーで動かすことで、中心値段以外の
気配情報を確認することが可能です。
また、通常の発注板では表示されていない、「
引け(前場引け・後場引け)
」のみ
有効となる予約注文の数量を発注板ALLでは表示ができるのも大きな違いです。
その他、注文の件数情報も表示される為、注文数量と注文件数を見比べることで、
大口注文が入っているかどうかを予想することができるほか、最良気配からの累計の
注文数量も表示できるので、仮に成行注文を大量発注した場合に、どの価格で
どの程度の数量が約定するかを予想することも可能です。
発注板ALLの活用事例その1
全体の気配動向から先の価格動向を予想する
木を見て森を見ず?
従来の板画面は、いわゆる「木を見て森を見ず」とのことわざ通り、部分的な気配動向しか察知することができませんが、発注板ALLでは「森(全体)を見て木(細部)を見る」ことで、使い方によっては有効的な活用が可能になります。
NEOTRADERの発注板ALLでは、全体を見るときに役に立つ機能として「グラフ
」があります。(図1参照)
主な活用方法として、売りまたは買いの突出している気配を見つけてから、気になる部分をクリックすることで板に該当部分の気配が表示されます。
発展
ある程度のレンジが把握できたところで、次の行動は以下のパターンが考えられます。(参考例)
1買いで保有している場合(利食い)
利食いの目標株価を決める際の指標として6,213円近辺は上値が重いと考え、それよりも手前で売りの指値を入れておく。
2買いで保有している場合(損切り)
このまま株価が下がってきたとしても、6,074円近辺は下値が堅いと考えるが、万が一抜けると一気に更なる下落が想定されることから逆指値条件をその下で設定する。
3買いと売り(信用の空売り)の2刀流
レンジの下限付近到達時では反発することを想定して、買いからエントリーする。一方、レンジの上限付近では売り込まれることを想定して、空売りでエントリーする。
※上記の運用方法は例であり、将来の運用成績を保証するものではありません。
発注板ALLの活用事例その2
引け注文のボリュームから終値を読む
通常の発注板では見ることができない「引け
」情報(図4)を表示させることで、買いと売りの引け注文(成行または指値)のボリュームがわかります。
「引け
」は前場引けと後場引けの2回タイミングがありますが、後場に出される引け注文は相場が終わる15時丁度に処理される注文になり、終値を形成するにあたり、重要な役割を担っています。
図4は、Aで売りの引成注文が1,200株出ており、Bは同じく、買いの引成注文が700株出ていることを指し示しています。成行の数量が表示されている一つ上の数字は引指の注文と引成の注文数量の合計を表しています。仮に、このまま大引け(後場の引けのこと)を迎えた場合、終値を決める計算は以下のようになることが想定できます。
成行売り1,200株 - 成行買い700株 = 500株の売り超過
500株の売り - 買いの最良気配2,670.5円にある4,400株 = 残3,900株
売りと買いの成行注文の結果、売りが買いを上回るため、0.5円気配が食い下がり2,670.5円の指値注文を先頭から消化することになります。消化してもなお2,670.5円の指値が3,900株残ることになるので、終値は2,670.5円に落ち着くと予想できます。
発展
予想結果を基に次の行動パターンが想定されます。(参考例)
1終値が現在値より高く終わると思われる場合
既に保有している銘柄を手仕舞い(決済)したいと考えているのであれば、利益を伸ばせると考え、保有を継続しつつ、引成(または引指)で売り注文を出す。
2終値が現在値より安く終わると思われる場合
既に保有している銘柄を手仕舞い(決済)したいと考えているのであれば、利益が減るだろうと考え、引けを待たずに現在値付近で指値を出して売り抜ける。
3ノーポジション(保有なし)の状態でかつ終値が現在値より安く終わると思われる場合
買いたい狙っている銘柄があれば、急いで成行で買う必要はなく、引成(または引指)で買い注文を出す。
※引け注文は約定を保証するものではありません。
引成や引指で注文をしていたのに失効になりました。なぜですか?(ザラ場引け)
※上記の運用方法は例であり、将来の運用成績を保証するものではありません。
発注板ALLの活用事例その3
累計表示を参考にまとめて注文をこなす
発注板ALLで表示できる機能の一つに「累計」という項目があります。(図5参照)
従来の売り気配または買い気配の隣の列に気配累計が表示されるようになり、気配ボリュームの合算が一目でわかりやすくなります。累計表示を見てどのような活用事例があるのか、見ていきましょう。
最低単元(一般的に100株)の売買をするにあたっては特段関係のないお話になりますが、ある程度まとまった株数で指値による売り買いをする際に役に立つテクニックになります。
発展
例えば、【C】の状況で1,000株を売りたいとします。買いの先頭は3,750円に200株ある状態。売り指値を3,750円に1,000株入れると、200株のみ消化され、残り800株が売り板に残ります。
1板に注文が残るとどうなる?
売れ残った直後は、3,750円の売り気配先頭に800株が乗りますが、相場がそのまま下落した場合は、未約定のまま売却できない状態が続くこととなります。
2売却できないまま残った注文は?
売れ残った注文を約定させる為には、価格の訂正や注文の取消後に再発注する必要があり、大きなタイムロスが生じてしまいます。
※執行条件にIOCを設定することで、発注後に未約定の注文をキャンセルさせることも可能です。
3累計はどう使う?
買累計/売累計には最良気配からの注文の合計数量が表示されているので、成行注文で800株を発注した場合に計算不要でどの程度の価格で約定するかを簡単に予想することができます。
※板の状況はリアルタイムで変動する為、発注時の表示と異なる価格で約定する場合があります。
NEOTRADERの改修予定について
NEOTRADERの今後の改修予定については、以下のページでお知らせしております。
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