株式投資の目的とはなんでしょうか?
実のところ、株式投資の目的として何が正解ということはありません。老後資金や教育資金の確保、着実な資産形成など人それぞれです。投資のリターンを得る手段についても、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うものから、配当(インカムゲイン)や株主優待を目的とするものまで多岐にわたります。 自身の目標や許容できるリスク、投資に割ける時間をもとに「投資スタイル」を定めることが、資産運用の第一歩となります。
資産形成と経済的自由を目指す理由
将来の経済的自由を目指す理由の一つは、老後資金や教育資金、住宅購入といったライフイベントに備え、生活の選択肢を広げることにあるでしょう。
特に意識したいのが、インフレによる「お金の価値の目減り」というリスクです。例えば年2%の物価上昇が続いた場合、現在の100円のパンは1年後に102円出さないと買えなくなります。これを1,000万円の資産で考えると、20年後には実質的な価値が約670万円相当【計算式:1,000万円 × (0.98% ^ 20年)※】まで減少する計算です。
※「^」は「累乗(るいじょう)」を表し、「0.98^20」は「0.98を20回かける」という意味です。
つまり、毎年2%ずつ価値が減る状態が20年間続くことを表しています。
金利がある世界になったとはいえ、預金金利だけでは物価上昇による資産の目減り分を相殺するには十分ではありません。株式投資はインフレの影響で企業収益が増加することにより株価の上昇が期待できる為、インフレ対策の一つとして資産形成では重要な役割を果たします。
株式投資を始める際に考えておきたい項目(例)
- 投資資金の額
- 投資予定期間
- 期待したい値上がり、配当からの収益(期待リターン)
- 許容できる価格変動の大きさ(許容できるリスク)
- 投資に使うことができそうな時間
- 情報分析など投資に費やすことができる時間(例:月〇時間 )
- 投資商品の取引概要や注意事項
証券会社の選び方と最適な口座タイプ
株式投資を行うには証券会社等の金融機関で口座を開設する必要があります。どの金融機関を選ぶかは、自分の投資スタイルに合った金融機関を選ぶことが重要です。
主な比較ポイントは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売買手数料 | ネット証券は無料化が進んでいるが、対面型は高い傾向 |
| 取引ツール | ツールの操作性や多機能さ マホアプリに対応しているか等、外出先での注文のしやすさ |
| 情報量 | 会社四季報の閲覧や投資レポートの配信量 |
| 売買手数料 | ネット証券は無料化が進んでいるが、対面型は高い傾向 |
|---|---|
| 取引ツール | ツールの操作性や多機能さ マホアプリに対応しているか等、外出先での注文のしやすさ |
| 情報量 | 会社四季報の閲覧や投資レポートの配信量 |
また、証券口座には課税口座(特定口座・一般口座)と非課税口座(NISA口座)があります。NISA口座では、売却益や配当に対して通常かかる約20%の税金が非課税になります。手元に残る利益が増えるため、多くの方が資産形成の土台として検討する口座です。
一方、特定口座や一般口座は、NISAの年間投資枠にとらわれず、より自由な金額で取引を行いたい場合に便利な口座です。複数の課税口座間で損益通算を行うことも可能です。 まずは、手数料やツールの使いやすさを基準に証券会社を選び、目的に応じて取引を行う口座を使い分けることが大切です。
投資スタイル
株式投資は登山や釣り、園芸などに例えられることがあります。登山ならあまたの山の中からどの山にどこまで登るのか様々なゴールを設定することができ、季節や参加者の編成などにも多くの選択肢があります。釣りであれば、海なのか山なのか、魚なのかタコなのか、堤防なのか船なのか、これもゴールや手法が様々です。園芸でも花なのか、果樹なのか、野菜なのか、ゴールもその手法も様々な組み合わせがあり得ます。
同様に株式投資にもゴールと手法で無数の組み合わせがあります。4,000銘柄ほどもある東証上場銘柄のどれにいつ投資するのか、短期でちょっとずつリターンを重ねるのか、長期でじっくり配当を受け取りたいのか、あるいは大きな値上がり益を目指すのか、というように様々な組み合わせが可能です。
この時、どういう株式投資を行うのかという大まかなアイデアを事前にもっておくことはとても重要です。これがないと、計画のない登山、準備のない釣り、無計画な庭造りと似たような状況になってしまいます。
そこで、投資スタイルです。投資スタイルには主なものだけでも、表のように様々なものがあります。投資スタイルは好きなスポーツや趣味などにも似ていて、ある方にとって良いものでも他の方にも適しているとはいえません。とはいえ、相性が良い投資スタイルが定まっていれば、投資判断の迷いが少なくなり、パフォーマンスを高めやすいという利点があります。なお、投資スタイルは一つに絞る必要はなく、併用したり組み合わせたりできます。
主な投資スタイルの例
| 投資スタイルの名称 | 概要 |
|---|---|
| バリュー株(割安株)投資 | 利益や純資産額(解散価値)などを用いた分析によって割安に放置されている株を見つけて保有し、その後の株価の上昇を期待します。株価が下落している時に相場の流れに逆らって投資すること(「逆張り」といいます)も多く、保有期間は数ヵ月から数年となることもあります。 |
| 成長株(グロース株)投資 | 売上高や利益の成長率が高い企業の将来の業績を見込んだ投資です。仮に、現時点の基準では割高に見えても、売上や利益が数倍になるのであれば適正な株価水準になるといった考えに基づいています。基本的には株価が上がっている(「順張り」といいます)、あるいは好業績が継続している状況で投資することが多くなります。 |
| インデックス(パッシブ)投資 | 個別銘柄に投資するのではなく、日経平均などの株価指数そのものに投資して、市場参加者の「平均点」を銘柄選定に時間をかけずに得ようという投資手法です。個人投資家が実践する場合には、株価指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)に投資し、何もしないで保有し続けます。 |
| 配当・株主優待投資 | 株価の値上がりではなく、配当金や株主優待を主な目的として株式を保有する手法です。配当の場合は減配や無配、株主優待の場合は優待内容の変更、廃止に注意が必要です。 |
| モメンタム投資 | 需給や値動きを基にしたテクニカル分析から、株価の上昇、下落トレンドを発見してその流れに乗って投資する手法です。 |
| 短期トレーディング | 数秒から数日といった短期間の株価変動から収益を得ることを目指す手法です(取引期間により数秒~数分程度だとスカルピング、数時間程度だとデイトレード、数日ならスィングトレードと呼ばれます)。値動きを常時監視する必要があるため、投資に費やす時間は一般に長くなります。 |
| イベント投資 | 株価指数の構成銘柄の組み替え、自社株買い、企業買収といった株価に大きな影響を与えうる各種イベントの対象や対象となりそうな銘柄を予想して投資する手法です。イベント投資には公開情報を基にした綿密な分析が必要です。 なお、投資家自身が上場会社の役員や従業員でなくとも、その上場会社と取引をしている会社の役員や従業員であれば、インサイダー(内部者)取引に該当して犯罪となってしまう可能性があるのでルールをよく理解する事が重要です。 |
| バリュー株(割安株)投資 | 利益や純資産額(解散価値)などを用いた分析によって割安に放置されている株を見つけて保有し、その後の株価の上昇を期待します。株価が下落している時に相場の流れに逆らって投資すること(「逆張り」といいます)も多く、保有期間は数ヵ月から数年となることもあります。 |
|---|---|
| 成長株(グロース株)投資 | 売上高や利益の成長率が高い企業の将来の業績を見込んだ投資です。仮に、現時点の基準では割高に見えても、売上や利益が数倍になるのであれば適正な株価水準になるといった考えに基づいています。基本的には株価が上がっている(「順張り」といいます)、あるいは好業績が継続している状況で投資することが多くなります。 |
| インデックス(パッシブ)投資 | 個別銘柄に投資するのではなく、日経平均などの株価指数そのものに投資して、市場参加者の「平均点」を銘柄選定に時間をかけずに得ようという投資手法です。個人投資家が実践する場合には、株価指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)に投資し、何もしないで保有し続けます。 |
| 配当・株主優待投資 | 株価の値上がりではなく、配当金や株主優待を主な目的として株式を保有する手法です。配当の場合は減配や無配、株主優待の場合は優待内容の変更、廃止に注意が必要です。 |
| モメンタム投資 | 需給や値動きを基にしたテクニカル分析から、株価の上昇、下落トレンドを発見してその流れに乗って投資する手法です。 |
| 短期トレーディング | 数秒から数日といった短期間の株価変動から収益を得ることを目指す手法です(取引期間により数秒~数分程度だとスカルピング、数時間程度だとデイトレード、数日ならスィングトレードと呼ばれます)。値動きを常時監視する必要があるため、投資に費やす時間は一般に長くなります。 |
| イベント投資 | 株価指数の構成銘柄の組み替え、自社株買い、企業買収といった株価に大きな影響を与えうる各種イベントの対象や対象となりそうな銘柄を予想して投資する手法です。イベント投資には公開情報を基にした綿密な分析が必要です。 なお、投資家自身が上場会社の役員や従業員でなくとも、その上場会社と取引をしている会社の役員や従業員であれば、インサイダー(内部者)取引に該当して犯罪となってしまう可能性があるのでルールをよく理解する事が重要です。 |
証券口座開設から最初の取引までの実践手順
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証券口座の開設
ネット証券ではパソコンやスマートフォンからいつでもお申込みができます。一方で対面証券では書面での手続きが一般的です。
証券口座を開設する為には、マイナンバーの提出が必須です。マイナンバーカードを発行されていない場合は、住民票などのマイナンバーが確認できる書類とともに、ご本人の顔写真が確認できる運転免許証などの本人確認書類を提出する必要があります。上記確認書類を提出後、証券会社で審査が実施され、完了次第、証券口座が利用できるようになります。
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入金
証券会社の指定口座へ振込む方法や、提携銀行のネットバンキングを通じて即座に口座から振替入金をする方法があります。証券会社によっては、ATM等で入金する専用カードが発行される場合もありますが、証券会社毎に異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。
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注文
銘柄の業績などを分析し、市場や株価の動きを確認しながら、注文を出します。注文時には、購入する株数を決めて、価格を指定せずに注文する「成行」や希望価格を指定する「指値」などで注文の価格を選択します。
口座開設の手順と必要書類
口座開設は、PCやスマホで完結する「オンライン申込」と、書類をやり取りする「郵送(書面)申込」があります。
オンラインは手続きが素早く、また本人確認も専用アプリやカメラ撮影した画像をアップロードできるため印刷などのコストもかかりません。
一方、郵送はネット操作が苦手な方に適していますが、開設までに日数を要するほか、書類の取得やコピーなどで一定の負担が発生します。現在は証券口座を開設するためにはマイナンバーの登録が必須となっており、マイナンバーカード、住民票の写しなどがマイナンバーの確認書類として利用できます。住民票の場合は、別途本人確認書類の追加提出が必要となります。
投資資金の入金方法と注意点
当社の場合、ATMや窓口から手続きする「一般入金」と当社提携金融機関のインターネットから手続きをする「クイック入金」の2種類をご用意しています。
| クイック入金 | お客様専用口座入金 | |
|---|---|---|
| 手続方法 |
取引システム画面内 (NEOTRADE W、NEOTRADER (スマホアプリ版)) |
ATM・銀行窓口等 |
| 振込手数料 | 無料(当社負担) | お客様負担 |
| 取引口座への反映 |
24時間 リアルタイム反映 (システムメンテナンス時間を除く) |
反映までに時間を要します。 (15:40以降のお振込みは翌営業日扱いとなります) |
| 備考 | 各提携金融機関でのインターネットバンキング契約が必要です。 | お客様専用口座の振込先はNEOTRADE Wにログイン後の「お客様情報」でご確認いただけます。お振込先確認方法はこちら |
初めての注文方法と取引のルール
株式投資における、主要な3つの注文方法について説明します。
| 注文方法 | 概要 |
|---|---|
| 成行注文 | 価格を指定しない注文で、売買の成立を優先させたい場合や取引を急ぐ場合に用いられます。いくらで取引が成立するかは相場次第となります。 |
| 指値注文 | 価格を指定する注文で、買いの場合は、「〇〇円以下で買う」、売りの場合は、「□□円以上で売る」という注文になります。 |
| 逆指値注文 | 逆指値S注文(ストップ注文)は、上昇トレンドを確認してから買いたい、損切りの水準を設定して到達したら売りたい、といった場合に用いられます。いずれも現在の時価よりも不利な価格をあらかじめ発動条件として設定し、設定した価格に到達した時点で、自動的に「成行」や「指値」注文が発注されます。 |
| 成行注文 | 価格を指定しない注文で、売買の成立を優先させたい場合や取引を急ぐ場合に用いられます。いくらで取引が成立するかは相場次第となります。 |
|---|---|
| 指値注文 | 価格を指定する注文で、買いの場合は、「〇〇円以下で買う」、売りの場合は、「□□円以上で売る」という注文になります。 |
| 逆指値注文 | 逆指値S注文(ストップ注文)は、上昇トレンドを確認してから買いたい、損切りの水準を設定して到達したら売りたい、といった場合に用いられます。いずれも現在の時価よりも不利な価格をあらかじめ発動条件として設定し、設定した価格に到達した時点で、自動的に「成行」や「指値」注文が発注されます。 |
株式取引は、証券取引所の開いている平日の「前場(9:00〜11:30)」と「後場(12:30〜15:30)」に行われます。証券会社を通じて取引所に注文が送られ、買いと売りの条件が一致すれば「約定(取引成立)」します。注文期限は当日中だけでなく、数日後まで指定できる「期間指定」も可能です。約定から2営業日後に、代金と株式の受け渡しが完了します。
初心者でも安心!ETFから始める個別株投資へのステップガイド
これから株式投資、特に個別株への投資を始める場合は、いくつかの投資スタイルを試しながら、自分に合ったものを探していくことになります。何から始めるべきか悩んだ時に有効なのが、ETFへの投資です。
ETFは日経平均などの指数に連動する投資信託で、1銘柄で多くの企業に分散投資できるのが特徴です。そのため、個別株と比較して相対的に値動きが緩やかで、株価の急変リスクを軽減できるのが大きなメリットです。また、証券取引所に上場しているため、購入(発注方法)から資金のやり取り、税金まで個別株投資と同様です。取引の操作に慣れながら、市場感覚を養う最初のステップとして、ETFを活用してみるのもよいでしょう。
ステップ1:日経平均ETFで取引所取引に慣れる
取引を開始するための準備を整え、実際にETFを購入してみましょう。
購入にあたって、第一に証券口座を開設し資金を入金することが必要です。購入手順は個別株と共通しており、銘柄を選んで、「口数」と「価格」を指定します。ETFなら1口から購入できる銘柄も多くあるため、数千円~数万円と少額な金額からスタートできます。
東証上場の株価指数連動ETFはこちら(日本取引所グループのWEBサイト)
ステップ2:個別銘柄の投資候補リストを作る
ETFで発注方法や取引ルール、日々の株価変動に慣れたら、いよいよ個別株投資にもチャレンジしてみましょう。
まずは、投資対象の候補となる銘柄のリストを作ります。ニュースやIR情報のほか、ご自身の職業に近い業種や、SNSのトレンド、身近なヒット商品等から投資のヒントを探しましょう。気になった企業は、売上成長率や利益率、将来性に注目してリスト化します。情報の裏付けとして、企業の公式サイトにある「IR情報」で実際の業績を確認することも重要です。
ステップ3:ファンダメンタルズ分析で投資候補を絞る
投資候補の銘柄がいくつか集まったら、それらの企業の決算書や業績見通しなどに基づいてファンダメンタルズ分析(後述)で、より希望に沿った投資対象に絞っていきましょう。
例えばバリュー株(割安株)に投資したいのであれば赤字企業や1株当たりの利益に対して株価が高すぎる場合(PER(株価収益率)などの指標を類似企業で比較したりします)は対象外となります。一方、成長株(グロース株)に投資するなら、売上が減っていたり(減収)、当期利益が減っていたり(減益)する銘柄は対象から外すことになるでしょう。
詳しい分析方法はこちら
ステップ4:テクニカル分析で投資タイミングを計って購入する
ステップ3で気になる銘柄を絞り込んだら、テクニカル分析を活用し、投資タイミングを計って購入します。
テクニカル分析は、過去の値動きをグラフ化したチャートや、収益や資産情報から算出された数値を基に「買い時・売り時」を探る手法です。簡単な例として、移動平均線で上昇・下落のトレンドを確認し、RSIで「買われすぎ・売られすぎ」の状態を確認するといった方法があります。テクニカル分析は、感情に左右されず、根拠を持った投資判断を行うために、重要な分析です。
詳しい分析方法はこちら
ステップ5:しっかりフォローして売り時を探る
購入後は、「利確(利益確定)」と「損切り(損失限定)」のルールを決めておくことが重要です。
業績の悪化(下方修正)や不祥事、市場全体が下落トレンドに入った際は、売却を検討するサインです。また、バリュー株投資であっても成長株投資であっても、株価の高騰が続き、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析で割高、あるいは買われ過ぎの状態が続いた場合、一旦目安を決めて利益を確定して、再度下落したところで買い戻すといったことも、投資戦略の一つです。
いずれもこの水準であれば最適といったものはありませんので、経験を積んだ後でもかまいませんので、自分なりのルールを設けておくことが、大きな損失を回避し、着実に利益を積み上げるための土台となります。
※ここで紹介した内容はあくまで一例です。実際の投資判断は、ご自身の状況に合わせて慎重に行うようにしてください。
まとめ
株式投資は、老後資金や教育資金といった目標達成のための一つの手段となります。まずは少額で個別株と同じように始められるETFで取引操作や市場の動きに慣れることからスタートし、徐々に個別株へとステップアップしましょう。
投資の際は、銘柄選びから購入タイミング(テクニカル分析)、そして利確・損切りのルールなど、自分なりに納得できる「投資スタイル」を確立することが大切です。日々のニュースや業績の変化を手掛かりにしながら、判断を積み重ねていくことが着実な資産形成へと繋がります。