株のはじめ方

株式投資の目的とはなんでしょうか?

実のところ、株式投資の目的として何が正解ということはありません。株式投資はその企業のオーナーになることでもあるので、株主になってその企業を応援したいとか株主総会で1票投じたいということも目的となりえます。また、魅力的な株主優待が目的という場合もあるでしょう。
とはいえ、純粋な投資として考えた場合には、「安く買って高く売る」、あるいは配当金も含めて「投資した資金でリターンを得る」ことといえます。
株式投資を始めるに際しては、どの程度の投資資金で、どの程度の期間かけて、どの程度のリターンを期待しているのか、そのために値下がりを含めた値動きの激しさはどの程度許容するのか、さらに重要なのは下調べも含めて投資にどの程度時間を使うつもりなのかといった点を考えてみる必要があります。その上で、どのような手法で投資を行うのかという「投資スタイル」を意識することで、投資対象の選択や投資するかどうかの基準に都度迷ってしまうといった事態を避けることができるようになります。

株式投資を始める際に考えておきたい項目(例)

  • 投資資金の額
  • 投資予定期間
  • 期待したい値上がり、配当からの収益(期待リターン)
  • 許容できる価格変動の大きさ(許容できるリスク)
  • 投資に使うことができそうな時間
  • 情報分析など投資に費やすことができる時間(例:月〇時間 )
  • 投資商品の取引概要や注意事項

投資スタイル

株式投資は登山や釣り、園芸などに例えられることがあります。登山ならあまたの山の中からどの山にどこまで登るのか様々なゴールを設定することができ、季節や参加者の編成などにも多くの選択肢があります。釣りであれば、海なのか山なのか、魚なのかタコなのか、堤防なのか船なのか、これもゴールや手法が様々です。園芸でも花なのか、果樹なのか、野菜なのか、ゴールもその手法も様々な組み合わせがあり得ます。
同様に株式投資にもゴールと手法で無数の組み合わせがあります。4,000銘柄ほどもある東証上場銘柄のどれにいつ投資するのか、短期でちょっとずつリターンを重ねるのか、長期でじっくり配当を受け取りたいのか、あるいは大きな値上がり益を目指すのか、というように様々な組み合わせが可能です。この時、どういう株式投資を行うのかという大まかなアイデアを事前にもっておくことはとても重要です。これがないと、計画のない登山、準備のない釣り、無計画な庭造りと似たような状況になってしまいます。
そこで、投資スタイルです。投資スタイルには主なものだけでも、表のように様々なものがあります。投資スタイルは好きなスポーツや趣味などにも似ていて、ある方にとって良いものでも他の方にも適しているとはいえません。とはいえ、相性が良い投資スタイルが定まっていれば、投資判断の迷いが少なくなり、パフォーマンスを高めやすいという利点があります。なお、投資スタイルは一つに絞る必要はなく、併用したり組み合わせたりできます。

主な投資スタイルの例

投資スタイルの名称 概要
バリュー株(割安株)投資 利益や純資産額(解散価値)などを用いた分析によって割安に放置されている株を見つけて保有し、その後の株価の上昇を期待します。株価が下落している時に相場の流れに逆らって投資すること(「逆張り」といいます)も多く、保有期間は数か月から数年となることもあります。
成長株(グロース株)投資 売上高や利益の成長率が高い企業の将来の業績を見込んだ投資です。仮に、現時点の基準では割高に見えても、売上や利益が数倍になるのであれば適正な株価水準になるといった考えに基づいています。基本的には株価が上がっている(「順張り」といいます)、あるいは好業績が継続している状況で投資することが多くなります。
インデックス(パッシブ)投資 個別銘柄に投資するのではなく、日経平均などの株価指数そのものに投資して、市場参加者の「平均点」を銘柄選定に時間をかけずに得ようという投資手法です。個人投資家が実践する場合には、株価指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)に投資し、何もしないで保有し続けます。
配当・株主優待投資 株価の値上がりではなく、配当金や株主優待を主な目的として株式を保有する手法です。配当の場合は減配や無配、株主優待の場合は優待内容の変更、廃止に注意が必要です。
モメンタム投資 需給や値動きを基にしたテクニカル分析から、株価の上昇、下落トレンドを発見してその流れに乗って投資する手法です。
短期トレーディング 数秒から数日といった短期間の株価変動から収益を得ることを目指す手法です(取引期間により数秒~数分程度だとスカルピング、数時間程度だとデイトレード、数日ならスィングトレードと呼ばれます)。値動きを常時監視する必要があるため、投資に費やす時間は一般に長くなります。
イベント投資 株価指数の構成銘柄の組み替え、自社株買い、企業買収といった株価に大きな影響を与えうる各種イベントの対象や対象となりそうな銘柄を予想して投資する手法です。イベント投資には公開情報を基にした綿密な分析が必要です。
なお、投資家自身が上場会社の役員や従業員でなくとも、その上場会社と取引をしている会社の役員や従業員であれば、インサイダー(内部者)取引に該当して犯罪となってしまう可能性があるのでルールをよく理解する事が重要です。

個別株に投資してみよう!:まずETF、次に個別株にステップアップする方法

これから株式投資、特に個別株への投資を始める場合は、いくつかの投資スタイルを試しながら、自分に合ったものを探していくことになります。例えて言えば、好みの小説やドラマを探すようなものです。
なお、投資経験が長い方でも、投資スタイルについて意識したことがないということもしばしばあります。そのような場合は、無意識のうちにバリュー株投資または成長株投資、あるいはその併用となっていることが多いようです。
そこで、バリュー株投資または成長株投資のどちらでも使える、まずETF、次に個別株投資にステップアップする方法をご紹介します。

ステップ1:日経平均ETFで取引所取引に慣れる

これまで投資信託に投資したことがあっても、上場株式は取引の方法が異なるので戸惑ってしまう方も少なくありません。
そこで、ETF(上場投資信託)を使ってみましょう。東京証券取引所には、日経平均に連動して株価が変動するETF(上場投資信託)がいくつか上場されています。これらのETFは、投資対象が株価指数である日経平均なので個別株と比較して相対的に値動きは少なく、また倒産して無価値になってしまうこともありません。一方、ETFは上場されているので購入(発注方法)から資金のやり取り、税金まで個別企業の上場株と全く同じです。そのため、ETFは個別株投資を始める前の最初の一歩として始めやすい銘柄と言えます。
そこで、日経平均ETFの中から手ごろな価格のものを選んで数千円~数万円程度で株式投資を始めてみましょう。
東証上場の株価指数連動ETFはこちら(外部リンクマーク)

ステップ2:個別銘柄の投資候補リストを作る

日経平均ETFで発注方法や取引ルールと日々の株価変動にも慣れたら、いよいよ個別株投資の準備を始めましょう。
まずは、投資対象の候補となる銘柄のリストを作ります。「新素材発見!」、「〇〇の売上拡大」といった日々のニュース、情報番組などでの企業紹介や、近くのお店で気になった売れ筋商品など、「この企業儲かっているのでは?」と思ったら銘柄のリストにどんどん書き溜めて行きましょう。

ステップ3:ファンダメンタルズ分析で投資候補を絞る

投資候補の銘柄がいくつか集まったら、それらの企業の決算書や業績見通しなどに基づいてファンダメンタルズ分析(後述)で、より希望に沿った投資対象に絞っていきましょう。
例えばバリュー株(割安株)に投資したいのであれば赤字企業や1株当たりの利益に対して株価が高すぎる場合(PER(株価収益率)などの指標を類似企業で比較したりします)は対象外となります。
一方、成長株(グロース株)に投資するなら、売上が減っていたり(減収)、当期利益が減っていたり(減益)する銘柄は対象から外すことになるでしょう。
詳しい分析方法はこちら

ステップ4:テクニカル分析で投資タイミングを計って購入する

ステップ3で良さそうな銘柄を絞り込んだら、テクニカル分析(後述)で現在が良い投資タイミングなのか確認し、購入します。バリュー株投資であっても成長株投資であっても、株価が下落トレンドにあると思われる際には慎重になる必要があります。極端な場合、他の市場参加者は常識のように知っている大事な要因を自分だけが見逃してしまっている、という事態もありえます。
逆に、過熱感を見るテクニカル分析で「売られ過ぎ」という場合には、バリュー株投資で長期間保有する覚悟であれば投資機会となることもあります。
詳しい分析方法はこちら

ステップ5:しっかりフォローして売り時を探る

ステップ4を経て株式を保有したら、定期的にニュースや業績、株価をフォローします。業績へのマイナスの影響が大きいと思われるニュースが出たり、業績見通しが下方修正されたり、株価が長期下落トレンドに入ったりするようであれば売却のタイミングと考えられます。
また、バリュー株投資であっても成長株投資であっても、株価の高騰が続き、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析で割高、あるいは買われ過ぎと考えられる場合には保有株の一部または全部の売却を検討しましょう。

これでETFから個別株投資にステップアップすることができました。
あくまで例ですが、この手順なら比較的ストレスなく個別株投資をはじめることができることでしょう。

国内現物株式等のお取引に関するリスク及び手数料等について

株式投資等は株価等の変動により、投資元本を割り込むおそれがあります。

現物株式の取引手数料は各商品・各コースにより異なりますが、1注文ごとの手数料体系で50円から最大880円、1日約定代金合計額で変わる手数料体系では、100万円以下で無料、100万円超~150万円以下で880円、150万円超~200万円以下で1,100円、200万円超~300万円以下で1,540円、以降100万円単位超過ごとに295円ずつ加算され、上限はございません(いずれも税込表示)。

ただし、強制決済の場合には約定代金×1.32%の手数料(最低手数料2,200円)が適用されます(いずれも税込表示)。

実際のお取引に際しては、契約締結前交付書面および当社ホームページ等をよくお読みになり、お取引の仕組み、ルール等を十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

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