大引け(おおびけ)の特徴と活用方法

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大引け(おおびけ)の特徴と活用方法大引け(おおびけ)の特徴と活用方法

大引けとは

大引けとは、その日一日を締めくくる取引であり、ザラ場中の上げ下げに関わらず、その銘柄(上場企業、ETF等)の定点での株価を決める終値という指標を決定する取引となります。
「引け」のタイミングは前場と後場で合計2回ありますが、前場の引けと後場の引けでは「終値」を決定するかどうかという大きな違いがあるため、後場の引け、つまり「大引け」に取引が集中することが一般的です。

前場引けと後場引け(大引け)との違いとは

具体的に、例として、ある日の2つの銘柄の前場引けと後場引けの出来高を見てみましょう。

A銘柄大引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
B銘柄大引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
A銘柄前場引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
B銘柄前場引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
A銘柄大引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
B銘柄大引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
A銘柄前場引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い
B銘柄前場引け
前場引けと後場引け(大引け)との違い

※NEOTRADER PCダウンロード版、歩み値画面より一部抜粋

A銘柄は前場引け時の出来高77,500株に対して大引け時は11,639,000株と約150倍、
B銘柄は前場引け時の出来高71,300株に対して大引け時は1,169,500株と約16倍で、大引けに商いが集中していることがわかります。

※上記は一例であり、必ずしも前場引け時より大引け時の出来高が多いとは限りません。

出来高が多いことによるメリット

出来高が多い=流動性が高いと解釈されます。株式の売買は、売りと買いの需給が合致して初めて成立しますので、流動性が低い銘柄では大口の注文が消化できない場合があります。仮に、A銘柄を10万株保有しており、前場引けで10万株の売り注文を出した場合、市場への売り圧力が高くなり、値崩れが起きる可能性が高まります。しかし、大引け注文であれば、出来高が多いので、注文が成立する可能性が高まります。

さて、買い手視点ではどうでしょうか。前場の早い段階からA銘柄に対して10万株の買い注文を成行で入れた場合、売り手が少ない状態であれば注文が成立せず特別買い気配になることも考えられます。前場の引けに限定して成行注文を発注した場合も、何か良い材料でもあるのではないかといった思惑を与え、価格がより高い方向に進みやすい状況を作り出します。数量の多い注文の約定を優先させたい場合は、売りと同様に大引け指定注文を活用することが効果的と考えられます。

終値が持つ意味

金融商品全般に通じていえることですが、終値はチャートの足の描画形成やテクニカル指標の計算に影響を与えるだけではなく、資産価値の値洗いに使われる重要な数値として市場では認識されています。また、昨今のインデックス型投資信託の隆盛により、大引けでの取引が増加していることも引けでの出来高増加の原因としても考えられます。※1

なお、大引けで大量の注文を連続して繰り返した場合、終値を意図的に操作する「終値関与」という行為として、相場操縦行為があるとして取引規制の対象となることがありますが、2024年11月5日に導入されたクロージング・オークション制度※2が導入されたことにより、大口の注文を行う機関投資家が大引けでの取引を行いやすくなった為、今後も大引けへの売買が増加することが想定されます。

※1 投資信託を運用する機関投資家の売買代金は大きい傾向にあるため、ザラ場で発注すると市場への価格影響を与えやすいといえます。そのため、クロージングオークションの板寄せ方式で価格影響が低い大引けの取引が増えることに繋がると考えられます。
※2 クロージング・オークション制度では、大引けの板寄せを行う前に新たに注文受付時間(プレ・クロージング)が設けられており、取引所による重点監視対象とされております。

大引けで約定したあとのトレード戦略について

大引けで取引を行う場合、以下のパターンに分かれます。

(終値で)新規買い約定(現物・信用)・・・①
(終値で)新規売り約定(信用のみ)・・・②
(終値で)売却・返済約定(現物・信用)・・・③

終値で新規の取引を行うケース(①と②)は欧州やニューヨーク等海外市場の取引時間帯を経て、反対売買をするまでに少なくとも一夜を明かす必要がある(PTSを除く)ため、リスクテイク型(相場の変動を許容できる)の投資家に向いています。また、窓開けを狙ったいわゆるギャップトレードの手法にも活用いただけます。

A銘柄の日足チャート、NEOTRADER PCダウンロード版より
大引けで約定したあとのトレード戦略について大引けで約定したあとのトレード戦略について

B銘柄の日足チャート、NEOTRADER PCダウンロード版より
大引けで約定したあとのトレード戦略について大引けで約定したあとのトレード戦略について

※ギャップトレードを狙えそうな箇所の一例に大引けで約定したあとのトレード戦略についてで図示

銘柄や季節的要因によって横ばいの状況が続くとギャップトレードには不向きですが、米国雇用統計やCPI(消費者物価指数)等の経済指標イベント後、またはFRB(連邦準備制度理事会)関係者による金利動向を巡る発言等の翌営業日は窓を開けて取引が始まる傾向があります。そのため、ある程度先行きの見通しを立てることができる中上級者向けの取引にはなりますが、大引け指定注文(大引成大引指大引不成)を活用して終値で新規約定、翌営業日寄り付き(始値)で決済(返済)するというトレード戦略が考えられます。

※銘柄選定でリスク分散をする場合、ペアトレードも有効な戦略の一つです。
詳細は、過去セミナー動画でも解説しておりますのでご参考ください。

参考までに、ある日の前場寄り付きと後場寄り付きの出来高を見ておきます。

A銘柄前場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
A銘柄後場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
B銘柄前場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
B銘柄後場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
A銘柄前場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
A銘柄後場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
B銘柄前場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について
B銘柄後場寄り付き
大引けで約定したあとのトレード戦略について

※NEOTRADER PCダウンロード版、歩み値画面より一部抜粋
※上記は一例であり、必ずしも後場寄り付き時より前場寄り付き時の出来高が多いとは限りません。

A,Bどちらの銘柄も前場寄り付きの方が後場に比べて多い結果となっており、終値が決まる大引けに取引が集中することと同様に、始値が決まる前場寄り付きも出来高は多くなる傾向があります。

終値で売却・返済を行うケース(③)はリスクコントロール型の投資家向けで、週末のイベントを回避したい狙いでポジションを清算する場合や、デイトレードとしてその日のうちに取引を完結させたい方に適した取引手法になります。前述の通り、前場引けよりも後場引け(大引け)に取引が集中するため、未清算リスクが減ることも大引け指定注文を活用するメリットの一つと言えるでしょう。

ザラ場中に思惑通り約定させることが出来ない場合も少なくありません。そうした中、寄り付きや大引けの時間帯に特化した取引手法はすべての投資家にとって平等な取引機会が与えられているといえるのではないでしょうか。本コラムが投資戦略立案の一助となりましたら幸いです。

まとめ(一例)

  • 大引けは出来高が多いため、注文が約定しやすい
  • 大引けで新規約定後、翌営業日前場寄り付きで反対売買を行うギャップトレードも有効な戦略の一つ
  • リスク資産を翌日に持ち越したくない投資家(デイトレーダー等)にも大引け指定注文は適している

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