手元資金以上の損失
信用取引は保証金の約3倍の金額でお取引できることにより、少額の資金で効率的な運用ができる点が魅力です。
一方で予想と反対に動けば、発生する損失額が大きくなるため、現物取引とは異なり、手元資金以上の損失が発生するリスクが伴います。
しかし、その仕組みを正しく理解したうえで大切なポイントを押さえることができれば、リスクを抑えることができます。
まずは、信用取引におけるリスクを正しく把握しておきましょう。
今回は100万円で現物株を購入するケースと、100万円を保証金にして300万円分を買い建てるケースを比べてみます(いずれもA銘柄のみとします)。
運用条件 | 株価が1/2になった 場合の損失額 |
残る資産 | 残る負債 |
---|---|---|---|
【現物取引】 自己資金100万円の運用 |
100万×1/2=50万円 損失は50万円 |
50万円 半分は手元に残る |
負債は0円 |
【信用取引】 自己資金100万円を保証金とし、 信用で300万円を運用 |
300万×1/2=150万円 損失は150万円 |
0万円 損失で自己資金はなくなる |
負債は50円 損失分の支払いが必要 |
現物取引の場合、自己資金が最大の取引金額となりますが、信用取引であれば約3.3倍の約333万円まで取引が可能となります。
株価が50%上昇したら現物取引では50万円の利益となりますが、信用であれば3倍の運用をしているため、利益も3倍の150万円を得ることができます。
一方、リスクとなるのが予想に反した値動きをした場合です。現物取引であれば、株価が2分の1になれば半分の50万円が損失になりますが、手元に半分の資金が残ります。
信用取引の場合、運用した資金の半分が損失になると、自己資金の100万円では足りないため、50万円が負債となり、追加の入金等が必要となります。
個別株では7~8%程度株価が変動する事も珍しくなく、企業のニュースによっては短期間で大きく変動する場合もあります。
リスク回避のために気をつけるポイント
NEOTRADE Wの信用余力照会画面をみれば、あといくら建てることができるのか、どのくらい余裕があるのか、総合的な余力状況を確認することができます。
「リアル時価追証計算(参考値)」では、現在の保証金預託率が確認できます。20%を下回った状態で大引けを迎えると「追証」が発生しますので適宜ご確認ください。

とくに気をつけたい確認項目はココ!全体の中に「赤の数字」があるときは注意!!
①【担保(保証金)】
(A)現金保証金:証券総合口座にある「現金」です。返済損などによってマイナスになると赤で表示されます。現金マイナスは入金か現物売却で解消する必要があります。
(B)代用保証金:現物で保有している株式や投資信託を代用保証金としていくらで評価されたか確認できます(前日終値で計算)。相場変動によって増減します。
②【余力状況】
(K)引出余力:マイナスになった状態で現金の受渡が発生すると不足金が発生します。
(K)引出余力=MIN(((H)受入保証金 - (I)委託保証金),((H)受入保証金 - (E)決済益))
追証や不足金が発生した場合は、NEOTRADE Wへログイン後の画面に不足金額と期日が表示されます。
朝の時点で表示されていなければ、その日の取引時間に発生することはありませんので、「追証に気づかなくて手遅れになった」という事態を防げます。
また、ログイン後は建玉の評価損益や余力状況をみて、今後の方針を検討する機会にしてください。
相場状況の変化に伴い、当初の投資方針を見直すチャンスです。
相場反転が近いと思えば入金で対応、遠い/不明 であれば建玉の整理も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
追証が出たときは取引を見直すタイミングと考え、保有している建玉を今後どうしたいか、いまいちど振り返りましょう。
損失をコントロールできる注文方法(例)
逆指値S注文
- ・利用例
値上がりを期待して購入した。値上がりしたら売るつもりだが、予想に反して値下がりするようなら売ってしまいたい。
仕事中など常に値段を見ていられないときに、急な値下がりをキャッチできない場合があります。逆指値S注文は、値下がりしたときに自動で損切注文を発注しますので、お客様に代って取引を見守ります。
※逆指値S注文の詳細は、 こちら をご覧ください。
リスク管理に便利なツール
スマートフォン用アプリのNEOTRADER(スマートフォン版)は、いつでもどこでも利用可能。
外出時などパソコンがないときでも信用取引のリスク管理ができる最適ツールです。

