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このページでは、信用取引の委託保証金として現金のほか、「現物株」や「投資信託」を有効に使う方法や注意すべき点を解説しています。多くのお客様からお寄せいただくご質問を中心に掲載しており、初心者の方はもちろん、ベテランの方にもご覧いただきたい内容を盛り込んでいますので、ぜひご覧ください。
代用有価証券とは?信用取引を有効に活用できる 仕組み
信用取引では、委託保証金として現金以外に現物株や投資信託を「代用有価証券」として利用できます。
一部の規制銘柄等を除いて、原則、前日終値の80%の評価額が保証金額に加算されます。
長期保有を前提に、すぐに売却予定のない株や投資信託を有効に活用することができます。
代用できる有価証券の種類
当社で取り扱いのある(お取引が可能)現物株と投資信託のうち、以下の条件を除く銘柄すべてが代用有価証券としてご利用いただけます。
- 整理ポスト銘柄
- NISA保有銘柄
- 代用除外銘柄
- 個社別銘柄の一部
特に指定がない場合、前日終値の80%の金額(代用掛目といいます) が保証金として加算されますが、証券会社または証券金融会社が市場の動向を鑑み、代用掛目を変更する場合があります。
当社では、取引画面または「本日の注意銘柄」で現在の状況がご確認いただけます。br>証券会社により充当できる銘柄や金額が異なる場合がありますのでご注意ください。
代用有価証券の評価額と「掛目」の計算方法
前述の通り、代用有価証券は、前日終値の80%に株数を掛けた金額が委託保証金として加算されます。
例えば、前日終値が1,000円の銘柄を1,000株保有していた場合、1,000円×80%×1,000株=80万円が代用評価となります。
なお、当日の値動きは代用有価証券の保証金換算額には影響しませんので、保有する株式や投資信託が大きく値上がりしても増えませんし、逆に急落した場合も換算額が減ることはありません。
そのため、取引終了時に代用有価証券の価格が下がっていた場合は、翌日の代用有価証券の評価額は減少する為、保有している代用有価証券が下落した場合は、保証金率を確認しておくことが肝要です。
有価証券の種類別の掛目
| 上場株券 | 80%以下 |
|---|---|
| 投資信託 | 80%以下 |
代用有価証券を活用する2つのメリット
100万円の現金に対して現物は100万円まで購入できますが、買った現物で信用取引を行う場合、追加で約266万円分同じ銘柄を購入することができます(100万円×80%÷30%=266.666…万円)。
現物株の保有分と信用取引の建玉分の合算で、元資金の約3.6倍へと資金効率が向上します。
※現物株式で保有している銘柄と同じ銘柄で信用取引の買建てを行うことを二階建てといいます。当社では一律禁止とはしておりませんが、リスク管理の観点からお客様へのヒアリングや個別銘柄毎の規制を行う場合があります。(詳細はこちら)
手元資金以上の取引が可能になり資金効率が向上する
現物株を購入する現金が足りない場合でも、手持ちの保有株があれば代用有価証券として委託保証金に利用(前日終値80%)できますので、信用取引で新規建てが可能になります。
現物株を100万円分保有しており、現金が0円の場合のケースで、別の銘柄での投資機会が到来したケースで考えてみましょう。
現物取引のみで信用取引口座を開設されていない場合は、仮に100万円分の現物を保有していても、現金が不足している為、別の銘柄を購入することはできず、投資機会を失うことになります。
購入するためには保有株の売却が必要ですが、売却しても再購入は100万円分までです。
では、信用取引口座が開設されていた場合ではどうでしょう?代用有価証券としての評価額で信用取引の新規建てができるため、保有株の売却を行うことなく投資チャンスを活かすことができます。
なお 新規建てができる金額は前述のと同様に、100万円(現物)×80%÷30%=約266万円になります。
保有株式(長期保有など)を有効活用できる
株主優待では、長期保有を条件にさらに多くの優待を受けられる制度を採用している企業が増えています。
そのため、お客様によっては長期保有を前提に購入される方も少なくありません。
株主優待以外に配当がもらえる場合もありますが、通常は半年に一回、企業によっては年に一回の交付だけですので、銀行の定期預金のように資金が拘束されてしまう状態と類似した状況といっても過言ではありません。
なお、信用取引では、保有株を代用有価証券として取引に利用することができますので、長期保有株を有効に活用することができます。
株価下落による追証(追加保証金)のリスク
代用有価証券が値下がりすると、建玉金額が変わらない場合は、委託保証金率も比例して下がります。
例えば、1,000万円の建玉に対し、代用評価300万円分の現物を差し入れていたとします。
この時点での委託保証金率は、300万円(保証金)÷1,000万円(建玉金額)=30%です。
追証は、委託保証金率が20%を割り込んだ状態で発生しますので、建玉に対して100万円を超えた評価損が発生する、または代用有価証券の保証金換算額が100万円分を超えて値下がりする、または建玉の評価損と代用有価証券の評価額の合計が100万円を超えて下げる場合に発生します。
代用有価証券の保証金換算額のみが300万円から200万円に下落する場合は、代用有価証券が終値で「100万円÷80%=約125万円超値下がり」することになります。
評価額が常に変動するリスク
委託保証金維持率は、当日の値動きは考慮せず、前日の終値を元に算出します。
委託保証金に対して代用有価証券の割合が多い場合、前日は株価が高かったため維持率も高く新規建て余力が出ていたとしても、株価が急落した場合、建玉の評価損と代用保証金の評価額の下落が重なり翌日の維持率急落に拍車がかかることとなります。
委託保証金維持率の急落への対策としては、表示されている新規建て余力だけを元に取引せずリアルタイムの余力や委託保証金率を考慮して取引を行うことが重要です。
NEOTRADE W(PCブラウザ版)の余力画面ではリアルタイムの余力や評価損が表示されていますので、取引の際は常にご参考ください。
追証に対応できないと強制決済 (ロスカット)される
信用取引で追証が発生した場合、期日までに解消できない場合は、期日の翌営業日に全建玉が強制決済となります(当社の場合)。
強制決済を回避する方法は以下の通りです。
① 発生金額分を入金
追証が発生した場合は、不足額が表示されますので、その金額を入金します。
ただし、同時に「不足金(立替金)」が発生していた場合は、入金額は先に不足金へ充当されるため、追証金額の入金のみでは 追証が解消しない場合があります。
必ず追証以外の請求がないかをご確認ください。
② 発生金額分を入金
信用取引で建玉を決済すると返済した建代金の30%が追証へ充当されます。
例えば、追証が100万円だった場合、100万円÷30%=約334万円の建玉を返済することで追証を解消し、強制決済を回避することができます。
代用有価証券利用時の4つの重要注意点
- 証券会社によって代用有価証券として使える銘柄や掛目が異なる場合がある
- NISA口座で購入した株式や投信は、制度上、代用有価証券には加算されない
- 売却することにより現金化されるが、現金評価となるのは受渡日以降
- 貸株中の銘柄は代用有価証券から除外される
※ 各社サービスの利用で、貸株中のまま代用利用できる場合もあります。
証券会社による違い(対象銘柄・掛目)
代用有価証券の掛目は、内閣府令により100分の80、つまり80%を超えることがないように定められています。
ただし、市場の差、時価総額等を分析して、各社の判断で掛目を変更することがあります。
乱高下する株式が代用有価証券に充当される場合、委託保証金率への影響が大きくなり、追証発生など思いもよらない事態を引き起こすリスクが高まることから、代用有価証券の掛目を下げることにより、委託保証金への影響を軽減させることを目的に実施されます。
主要ネット証券2社と当社の代用有価証券の対象銘柄と掛目を比較してみましょう。
| SBIネオトレード証券 | SBI証券 | 楽天証券 | |
|---|---|---|---|
| 対象銘柄 | ① 取り扱いのある上場株式 ② 投資信託 |
① 上場株券・上場投資信託など ② 投資信託受益証券など |
|
| 代用掛目 | ① 前営業日終値の80% ② 前営業日の基準価格で算定した評価額の80% |
① 前営業日の最終価格(気配)の80% ② 前営業日の基準価額の80% |
前日終値の80%相当額 |
※2025年9月10日 当社調べ
| 対象銘柄 | ① 取り扱いのある上場株式 ② 投資信託 |
① 上場株券・上場投資信託など ② 投資信託受益証券など |
|
|---|---|---|---|
| 代用掛目 | ① 前営業日終値の80% ② 前営業日の基準価格で算定した評価額の80% |
① 前営業日の最終価格(気配)の80% ② 前営業日の基準価額の80% |
前日終値の80%相当額 |
※2025年9月10日 当社調べ
代用有価証券として利用できない銘柄は、原則当社と大差がないことがわかります。
NISA口座の株式は代用有価証券として利用できない
NISA口座(成長投資枠、つみたて投資枠含む)で保有する有価証券は、NISA制度のルール上、代用有価証券には組み入れられません。
課税口座(特定/一般)で買い付けした場合、買付代金分の現金が減りますが、代わりに代用有価証券として差し入れられます。
この場合、委託保証金は20%程度(100%評価→80%評価)の減少で済みます。
一方、NISA口座で購入された場合、買付代金分の現金は減りますが代用有価証券として委託保証金の計算の対象にはなりません。
このため、新規建て可能額および委託保証金率が大きく下落するので注意が必要です。
逆に、NISA口座で保有する有価証券を売却した場合、現金として評価されるのは受渡日以降となるので、余裕を持ったお取引を心がけてください。
代用適用の有価証券を売却する際の影響
代用有価証券で保有している株式を売却した場合、受渡日に現金化され、売却額の100%が委託保証金に加算されます。
つまり、売却後すぐには現金評価されないため、「買付可能額を増やしたい」「不足金を解消したい」「追証を解消したい」といった保証金を増やそうとする行為に対して即効性はありません。
なお、前述の通り代用有価証券として委託保証金で取り扱われている為、委託保証金率の低減や新規建て可能額の増加には寄与しません。
まとめ
保有している株や投資信託 がありましたら、信用取引で積極運用してみませんか?
代用有価証券のことを正しく理解して、加えてデメリットを知ることで、リスクを抑えながら効率的な資産運用ができます。
現物をもっているだけでは、値上がりを待つか年1~2回の配当や優待を待つしかありません。
信用取引で利用すれば、配当、優待の権利取得は維持したまま、今動いている株やすぐに動きそうな株へ積極投資することができます。
注意事項
- 信用取引をはじめるには、信用取引口座の開設が必要です。NEOTRADE Wの「信用取引」タブから信用取引口座の申込みを行ってください。
- 制度信用取引で売建てた場合、借りる株に対して貸株料が発生します。金利と同様に日数に応じて発生しますが、金利と異なり市況状況によっては逆日歩(品貸料)と呼ばれる費用が追加で発生する場合があります。また、配当金がある場合、配当落調整金を支払う必要があります。
- すべての銘柄で信用取引の売建てができるわけではありません。

