差金決済とは何?仕組みや現物株の売買との違い、信用取引での活用方法等を解説

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差金決済とは?仕組みやメリット・リスクを解説

差金決済(さきんけっさい)とは、株式や先物などの金融取引で、現物の受け渡しを行わず、反対売買によって発生した売買価格の差額(損益)だけを現金で受け渡しして決済する方法です。
信用取引や先物取引などで用いられ、Contract for Difference (CFD) と呼ばれる差金決済取引もこれにあたります。
株式の受け渡しを前提としている現物取引での差金決済は金融商品取引法で禁止されています。
なお、信用取引は、制度上差金決済取引ではございませんが、結果的には差金決済となります。

仕組み 買値と売値の差額の現金受け渡しで取引が成立する
メリット 現物取引ではできない売り(空売り)から取引を始めることができる
デメリット 実際の株式を保有していることで得られる株主の権利や株主優待の権利などが取得できない
対象取引の例 FX、先物・オプション取引、CFD取引

差金決済の仕組みと現物取引との違い

差金決済は、取引の対象となる現物資産の受け渡しを行わず、取引開始時と終了時の価格差額のみを現金で決済する仕組みです。FXやCFD、先物取引で用いられます。
また、一般的に差金決済を行う取引では、証拠金や保証金を仕様するレバレッジ取引が行われます。

仕組みの解説

投資家がA価格で買いポジションを建て、B価格で反対売買すると、(B-A)×取引数量の差額が口座に反映されます。
例えば、FXでドル円のポジションを100万円で買い110万円で売却すれば10万円の粗利益(手数料などを除く)となります。
現物資産の受渡がないため取引成立後すぐに決済されます。

差金決済の仕組みと現物取引との違い

現物取引との比較

項目 現物取引 差金決済
決済方法 現物と代金の受け渡し 価格の差額のみ授受
必要資金 買付代金全額の現金が必要 証拠金のみ(レバレッジ可)
売りから開始 不可 可能(空売り)
決済方法 現物と代金の受け渡し 価格の差額のみ授受
必要資金 買付代金全額の現金が必要 証拠金のみ(レバレッジ可)
売りから開始 不可 可能(空売り)
対象商品 現物取引 FX、先物・オプション、CFD等

差金決済のメリット

空売りを行うことができる

「売り」から開始ができるので、下落相場で収益を狙うことが可能です。
例: 高値100円で売りを行い、安値90円で買い戻せば10円×数量の利益となります。
手元に対象の資産を保有していなくても開始できるので、現物取引だけの取引に比べて収益の機会が増えます。

差金決済のリスク

株式の権利を受け取ることができない

差金決済取引ができる信用取引等は、実際の株式の権利を受け取ることができません。
そのため株主優待等を受け取ることができませんので、ご注意ください。

現物取引で差金決済が禁止されている理由

法令では、受け渡しなしの差金決済を禁じています。
理由は、資金不足の不健全取引を防ぎ、債務不履行や市場の過度な投機を防止するためです。
なお、当社では差金決済に該当する可能性がある注文は、発注できないように制限を設けており、発注時にエラーが表示される場合がございます。

なぜ禁止されているのか?

株式の現物取引で差金決済が禁止されているのは、過度な投機的取引を抑制し、市場の健全性を維持するためです。
資金不足の投資家が受け渡しなしで投機的な売買を繰り返すと、債務不履行や需給の歪みが生じ、株価の作為的な変動を招く可能性があります。
金融商品取引法はこれを防ぎ、公正な市場秩序を確保するために制定されております。

違反した場合のペナルティ

当社では、ペナルティはございませんが、差金決済に該当する可能性がある注文は、発注できないように制限がかかります。
そのため発注時にエラーが表示される場合がございます。
各社対応が異なる場合がございますので、お取引をされる証券会社にご確認ください。

差金決済に該当する取引と回避策

差金決済は「同じ資金で同一銘柄を同日に売買し、受け渡しを伴わず差額だけを清算する取引」で、現物株では禁止されています。
意図せず該当することもあるため注意が必要です。
該当する例として、同日に同一銘柄を「買付→売却→再度買付」または「売却→買付→再度売却」といった売買を行うと差金決済に該当となり発注ができなくなります。
なお、回避するためのポイントとして同じ銘柄を同じ日に何度も売買したい場合は、「別の新たな資金」で行うか、もしくは差金決済が認められている「信用取引」を利用するかが挙げられます。

【ケース1】同一資金・同一銘柄での日計り取引

当社では、ペナルティはございませんが、差金決済に該当する可能性がある注文は、発注できないように制限がかかります。
そのため発注時にエラーが表示される場合がございます。
各社対応が異なる場合がございますので、お取引をされる証券会社にご確認ください。

【ケース1】同一資金・同一銘柄での日計り取引

過度な売買は「価格変動リスク」をはじめ、様々なリスクが高まる取引となりますので十分にご注意ください。また、当社でリスク管理の観点から過度な取引であると判断した場合、お客様へのヒアリングや取引の制限を行う場合がありますのでご留意ください。

【ケース2】売却代金が受渡日を迎える前の取引

現物取引は、同日・同銘柄・同一資金の売買を禁止しておりますが、他の銘柄の買付であれば売却代金の受渡し前でも取引が可能です。
例えばA株を売却した場合、約定日は売買が成立した日を指し、実際に売却代金が口座へ入金されるのは受渡日になります。
多くの証券会社では、A株の売却代金がまだ入金されていなくても、その金額を充当してB株を購入できます。
これは受渡日ベースで売買代金を相殺する仕組みのためです。
約定日は取引成立日、受渡日は資金や株式が移動する日という違いを理解することが重要です。

差金決済を回避するための3つのポイント

差金決済を回避するには、口座残高に余裕を持った資金管理が不可欠です。同じ銘柄の連続売買で売却代金をあてにすると差金決済に該当する可能性がございます。

ポイント1: 資金余裕の確保

口座に余裕資金を準備します。これにより資金不足による意図せぬ差金決済を回避し、差金決済の制限に該当して売却できない、買い戻しができないといった事態を回避することができます。

ポイント2: 信用取引を利用する

信用取引は差金決済ですので、同一資金を利用して同銘柄の売買を繰り返して行うことが可能です。

ポイント3: 各社のルールを確認

各社ルールが異なる場合がございますので、事前に確認したうえでお取引いただくことが望ましいです。

差金決済を前提とした金融商品

差金決済の仕組みは、現物の受け渡しをせず価格の差額のみを現金で清算するものです。
株式の現物取引では禁止されておりますが、特定の金融商品で利用いただくことが可能です。
なお、いずれの商品も当社では取り扱いがございませんのでご注意ください。

FX取引

外国為替証拠金取引(FX取引)は、通貨ペアの価格変動による差額決済が基本です。レバレッジをかけ、売りから下落相場でも利益を狙えます。

CFD取引

株価指数や金や原油といった現物資産や個別株などの差金決済取引が可能です。幅広い資産が対象です。なお、FX取引もCFD取引の一つです。

先物取引

将来の期日に先物価格で売買することを約束し、差額の取引が可能。株価指数や金・原油といった商品を対象にしたものがあり、保有している現物資産の価格変動をヘッジする目的でも利用されます。

FX(外国為替証拠金取引)

FXは各国の通貨ペアを売買し、為替レートの変動による差額で利益を狙う取引です。
米ドル/円などのペアでレートが上昇・下落に応じて差益が発生し、現物通貨の受け渡しは行いません。少額の証拠金で大きな金額を動かせ、レバレッジ効果により高リターンを狙えますが、損失も拡大するリスクがあります。
なお、会社によっては、対象通貨ペアを現物資産として受け取るサービスを行っている場合もあります。原則24時間取引可能で流動性が高いのが特徴です。

CFD(差金決済取引)

CFDは株式、株価指数、商品、為替など多様な資産を対象に、現物の受け渡しをせず価格変動の差額のみを決済する取引です。
日経平均や金、個別株などを少額証拠金で売買でき、買いだけでなく売りから始め下落相場でも利益が出せます。

先物取引

先物取引は将来の決められた日に、特定の商品や指数を現時点で取り決めた価格で売買することを約束する契約です。
到期日に差額を清算し、株価指数、原油、穀物などが対象。
ヘッジ目的で価格変動リスクを回避するために利用されることもあります。

まとめ

差金決済はFX、先物取引、CFD取引で活用され、レバレッジによる効率的な取引を可能にしますが、リスク管理が不可欠です。
なお、信用取引は制度上、差金決済取引ではございませんが、結果的に差金決済となっております。
また、現物株との違いを理解し、投資目的に沿った商品をご選択いただければと存じます。

信用取引研究所
信用取引研究所
国内株式信用取引のお取引に関するリスク及び手数料等について

信用取引は委託保証金の約3倍までのお取引ができるため、株価等の変動により委託保証金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。

信用取引の取引手数料は無料ですが、買方金利、貸株料、品貸料(逆日歩)、信用取引管理料、信用取引名義書換料等の諸経費が必要です。

また、信用取引の委託保証金は売買代金の30%以上かつ30万円以上の額が必要です。

実際のお取引に際しては、契約締結前交付書面および当社ホームページ等をよくお読みになり、お取引の仕組み、ルール等を十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

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