信用取引における名義書換料とは?

更新日:

信用取引における名義書換料とは?信用取引における名義書換料とは?

信用取引にかかる「名義書換料」は株主を確定する基準日である権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで買建玉を保有した場合に発生する費用です。
本記事では名義書換料が発生する仕組みや条件、計算方法などについて詳しく解説します。

名義書換料とは?3つの場面で使われる費用の基本

名義書換料とは、権利や名義の譲渡・変更を行う際に支払う手数料であり、取引や契約上の名義を変更するための承諾や手続きに対する費用として発生します。
代表的なものとして以下3ケースが挙げられます。

  • 信用取引:株主を確定する基準日である権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで買建玉を保有する場合※に発生する「権利処理手数料」 ※売建玉保有時には発生しません。
  • 不動産:借地権や建物の賃借権を譲渡・転貸するときに、賃貸人の承諾を得るために支払う「承諾料」
  • ゴルフ会員権:会員権を第三者に譲渡する際、ゴルフ場に支払う「名義変更手数料」

【最重要】信用取引の名義書換料(権利処理手数料)とは

信用取引における名義書換料とは、株主を確定する基準日である権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用取引の買建玉を保有している場合に発生する費用です。
株主名簿上の名義を一時的に変更して権利を処理するための事務手数料として徴収されます。

発生条件 買建玉を権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで保有した場合
金額 売買単位あたり55円(税込)、ETF/ETNは売買単位あたり5.5円(税込)
注意点 上限金額はなく、株価の低い銘柄や単元数の多い建玉では総額が高額になる可能性があります。

発生する仕組みと条件

信用取引で名義書換料が発生する仕組みは、株主の権利確定日が関係しています。
名義書換料は前述の通り、権利付最終日と権利落ち日をまたいで買建玉を保有する場合に発生しますが、配当や株主優待、株式分割などは、権利を受ける基準日(株主確定日)が決められており、その日に株主名簿に記載されている投資家が上記の権利を得られます。
株式市場では、株を購入してから株券の受け渡しが行われるのに2営業日(T+2)のタイムラグがあるため、株主確定日の2営業日前が「権利付最終売買日」とされ、この日までに株を購入すれば権利を取得できます。
翌営業日が「権利落ち日」で、ここで株価が理論上配当分下落し、以降に購入しても権利は取得できません。
したがって、信用買建玉をこの権利付最終売買日から権利落ち日をまたいで保有すると、名義書換を伴う権利処理が発生する仕組みです。
株主確定日は以下のような場面で設定されます。

  • 本決算や中間決算の基準日(例:3月末、9月末)
  • 四半期決算(例:6月末、12月末)
  • 株式分割や新株予約権の割当基準日

計算方法と具体例:信用取引の名義書換料

名義書換料は、以下のいずれかの方法で計算されます。

  • 売買単位あたり55円(税込)
  • 建株数×55円(税込)÷ その銘柄の1単元株数(1円未満は切り捨て)
ETF/ETNの場合は売買単位あたり5.5円(税込)となります。

具体例:ある銘柄の1単元株数が100株、名義書換料55円/単元とすると
  • 10,000株(=100株×100単元)を権利確定日をまたいで保有した場合
  • 名義書換料=55円×100単元=5,500円(税込)

つまり、建玉の株数を単元株数で割って単元数を出し、それに55円を掛けて算出します。 他の例として、ETFで同じ株数の場合は、売買単位あたり5.5円×単元数が目安です。 ※小数点以下は切り捨てで計算します。

名義書換料を抑えるためのポイント

名義書換料を抑える基本は、権利確定日をまたがないように信用取引の建玉の保有期間を調整し、不要な権利処理を避けることです。
事前に株主確定日や権利付最終売買日を確認し、名義書換料の発生日を把握することが重要です。

  • 権利付最終売買日をまたがない取引にすることで、名義書換料の発生を防ぐ
  • 株主確定日や権利落ち日を事前に調査し、取引タイミングを計画的に設定する
  • 名義書換料が発生する場合の金額や仕組みを理解し、コストを見積もる

これにより不要な費用を節約し、効率的な信用取引が可能になります。

信用取引:権利確定日をまたがない

信用取引で権利付最終売買日までに建玉を手仕舞うには、その日の取引終了(15:30)までに、返済または現引/現渡して建玉を解消します。
これにより、名義書換料などの余計な費用を避けられます。

具体例:2025年9月30日が権利確定日の株主優待銘柄の場合
  • 2025年9月26日(金)15:30時点で株式を保有すると配当や優待を受ける権利が得られます(権利付最終売買日)。
  • 9月26日中に保有していれば、9月29日(月)の権利落ち日をまたいでも権利確定できます。
  • 名義書換料を避けたい場合、9月26日15:30までに建玉を返済して保有を終えることがポイントです。

つまり、権利付最終売買日(=権利確定日に株主名簿に名義登録される最後のタイミング)までに必ず取引を完了させ、その日をまたいで建玉を持ち越さないスケジュール調整が必要です。
もしあとで買い直す場合は権利落ち日以降になります。

まとめ

名義書換料は、株式や不動産、会員権などで名義変更時に発生する手数料です。
信用取引では、権利確定日をまたいで買建玉を保有すると発生し、1単元あたり55円(ETFは5.5円)です。
買建玉を保有している状態で権利付最終売買日と権利落ち日をまたぐと名義書換料が発生します。
発生を防ぐには、権利付最終売買日までに建玉を手仕舞い、日程を事前に確認して計画的に取引することが重要です。

信用取引研究所
国内株式信用取引のお取引に関するリスク及び手数料等について

信用取引は委託保証金の約3倍までのお取引ができるため、株価等の変動により委託保証金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。

信用取引の取引手数料は無料ですが、買方金利、貸株料、品貸料(逆日歩)、信用取引管理料、信用取引名義書換料等の諸経費が必要です。

また、信用取引の委託保証金は売買代金の30%以上かつ30万円以上の額が必要です。

実際のお取引に際しては、契約締結前交付書面および当社ホームページ等をよくお読みになり、お取引の仕組み、ルール等を十分ご理解の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

ページトップへ