REIT×信用取引で運用益アップを目指す
「金融機関からローンでお金を借りてオフィスビル1棟買い!」と聞いたことはあっても大型の不動産レバレッジ投資(借り入れ等によって手元資金以上の取引を行う投資)は金額もリスクも大きくなってしまいます。一方、株式市場にはオフィスビル、ホテル、物流施設や大規模集合住宅といった良質な不動産に10万円前後から投資できるREIT(上場不動産信託、リート)が上場されています。
なお、REIT自体も投資家からの出資金と概ね同額か若干下回る水準の借入を行っていて、それで不動産に投資しているのでざっくり2倍程度のレバレッジ投資ということができます。このREITに信用取引で投資をすれば簡単に不動産へのレバレッジ投資と同様の経済効果を目指すことができます。この時、金利が安いネオトレで信用取引を行うメリットが生きてきます。
(投資例)
100万円でREITを購入したとします(現物株)。これを信用取引の担保にすれば(100万円×株式の通常の担保掛け目80%)÷30%=約266万円まで信用取引で買い建てることができます。
とはいえ、個別のREIT特有のリスクを減らすために、同一の銘柄ではなく、現物と同額の100万円分だけ類似のREIT(投資対象や地域、予想分配金が似ている銘柄)を買い建てます(現物で保有している銘柄を担保にして、同一銘柄を信用取引で買い建てることを「二階建て」といいます。「二階建て」はリスクがありますので、必ずリスクをご確認ください。この例においては二階建てを避け、異なるREITを信用取引で買い建てています)。
二階建ての説明はこちら
これで100万円の資金で200万円分のREITに投資していることになります(レバレッジ=てこ効果2倍)。試算が分かりやすくなるように、現物で購入しているREITも信用取引で買い建てているREITも株価が全く動かなかったと仮定し、1年間保有して仮に同じ6%の分配金があったとすれば、100万円の現物は6万円の配当金、信用の買い建ては分配金の84.865%(15.315%の源泉徴収税額相当分を控除した後の配分)となる配当金落調整額の50,919円(=現物配当金6万円×84.865%)で、合計110,919円の税前収入が得られることになります。
なお、この時の信用取引の金利負担額は1年で23,000円(制度信用金利=年率2.30%(当社の場合))となります。
つまり、信用取引を組み合わせることで100万円の投資から税前収益が配当金の6万円から、配当金と配当落調整額合計110,919円と23,000円の金利負担を考慮すると110,919円-23,000円=87,919円と、現物の配当金6万円と比較すると、1.46倍に増えることになります(制度信用金利2.30%、税金、金利以外の諸経費を除いた計算となるので、実際の利益とは異なります(諸経費分の利益は減少します)。本計算は例として記載しており、制度信用取引は最大6ヵ月の保有となりますので、一年間継続して保有する事はできません。また、この方法は利益を保証した取引ではありません。)。
配当落調整金とは
税引き後の収益試算も見てみる
税引き後の金額の計算はちょっと面倒なのですが、特定口座を利用して取引すれば証券会社が計算します。
内訳をみてみると、まず、現物の配当金の源泉徴収後の金額は6万円×(1-上場株式の配当にかかる源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)20.315%)=47,811円となります。信用取引の場合は買い単価100万円に金利が上乗せされるので株価が100万円で仮に不変だとすると、23,000円(制度信用金利=年率2.30%(当社の場合))の金利分が信用取引の損金となります。このマイナス分に配当金落調整金50,919円(配当金の84.685%(15.315%の源泉徴収税額相当分を控除した後の配分))を加えたものが信用取引からの税前収益で、差し引き27,919円(配当金落調整金50,919円-金利23,000円)です。この金額に20.315%の源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)がかかるので、これを差し引くと27,919円×(1-源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)20.315%)=22,247円になります。
結果として、100万円のREITへの現物投資だと47,811円の配当収入ですが、信用取引を併せて用いると、100万円の現物取引からの47,811円と100万円の信用買い建てからの収益22,247円で合計70,058円となりました(税引き後、取引手数料を除く)。
つまり、信用取引を組み合わせることで100万円の投資からの収益が70,058円÷47,811円=1.46倍に向上することになります(税金、金利以外の諸経費は考慮せず)。
税引き後の金額の計算はちょっと面倒なのですが、特定口座を利用して取引すれば証券会社が計算します。
内訳をみてみると、まず、現物の配当金の源泉徴収後の金額は6万円×(1-上場株式の配当にかかる源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)20.315%)=47,811円となります。信用取引の場合は買い単価100万円に金利が上乗せされるので株価が100万円で仮に不変だとすると、23,000円(制度信用金利=年率2.30%(当社の場合))の金利分が信用取引の損金となります。このマイナス分に配当金落調整金50,919円(配当金の84.685%(15.315%の源泉徴収税額相当分を控除した後の配分))を加えたものが信用取引からの税前収益で、差し引き27,919円(配当金落調整金50,919円-金利23,000円)です。この金額に20.315%の源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)がかかるので、これを差し引くと27,919円×(1-源泉税率(所得税等15.315%、住民税5%)20.315%)=22,247円になります。
結果として、100万円のREITへの現物投資だと47,811円の配当収入ですが、信用取引を併せて用いると、100万円の現物取引からの47,811円と100万円の信用買い建てからの収益22,247円で合計70,058円となりました(税引き後、取引手数料を除く)。
つまり、信用取引を組み合わせることで100万円の投資からの収益が70,058円÷47,811円=1.46倍に向上することになります(税金、金利以外の諸経費は考慮せず)。
この例のように信用取引を組み合わせてREITに投資すれば、実物不動産に比較して流動性が高く、金額の多寡も自由に設計できる疑似的な不動産へのレバレッジ投資を行うことができます(上の例ではREITそのものの約2倍のレバレッジ×信用取引で2倍=資金に対して約4倍のレバレッジをかけてREITを使って実質的に不動産投資をしていることになります)。REITへの信用取引による投資は、金利が安いネオトレならではの信用取引を用いた利回り投資と言えます。実際は、もちろんREITの価格変動リスクがありますが、レバレッジを抑えたポジションにすればリスクを管理することが可能です。
注意事項
- REITは株式と同様に需給によって価格が日々変動します。不動産への間接投資であるため、手ごろな金額から手間をかけずに投資が可能で流動性が高いというメリットもある一方、不動産への実物投資と異なる点や、株式市場の暴落時には価格が下落する可能性が高いといったデメリットもあります。
- 代用有価証券または信用取引で取引を行っている銘柄に対して、取引所または当社による各種の規制(増担保・建株制限・売買制限等)が課せられた場合には、追証の対象となる、若しくは取引を手仕舞わなければならない状況となる可能性があります。
- 信用取引は保有する事により価格変動リスク、金利や各諸経費が発生するので、保有期間が長くなる事によるリスクも発生します。
注意事項
- REITは株式と同様に需給によって価格が日々変動します。不動産への間接投資であるため、手ごろな金額から手間をかけずに投資が可能で流動性が高いというメリットもある一方、不動産への実物投資と異なる点や、株式市場の暴落時には価格が下落する可能性が高いといったデメリットもあります。
- 代用有価証券または信用取引で取引を行っている銘柄に対して、取引所または当社による各種の規制(増担保・建株制限・売買制限等)が課せられた場合には、追証の対象となる、若しくは取引を手仕舞わなければならない状況となる可能性があります。
- 信用取引は保有する事により価格変動リスク、金利や各諸経費が発生するので、保有期間が長くなる事によるリスクも発生します。